2020-9-12 更新しました。
「定年前」からのお話です。
定年後は収入が減るのだから、節約すべき、というアドバイスはたしかに納得できます。
しかし,定年後の生活費を節約するのは避けるべきです。
その理由は,ただ闇雲に節約すべきとなると、これはとても精神的な負担を強いることになるからです。
節約は我慢です。
何かの目的のために我慢して節約し、お金を貯めて目的を達する、という有限の取り組みであればたしかに効果はあります。
しかし、老後の節約は、いつ終わるともしれず、何のためにするのかもはっきりせず、ただ、我慢し続けるということになります。
老後の生活に、ただ収入が減るから、と目的もなく我慢を強いるのは精神的に良くありませんよね。
私も,とても死ぬまで節約なんて苦行はできません。
節約ではなくダウンサイジングをすべき
目的もなくただ我慢する節約に対して、ダウンサイジングは、これからの生活に不要なことを減らしていくことです。
生活の点検によりいらないものを見つけてその出費を減らすのですから、我慢する必要はありません。
無駄をなくすだけです。
では、何をダウンサイジングすればいいのでしょうか。
自分の生活の無駄とは何でしょうか。
夫の小遣いでしょうか。
光熱費を減らして、風呂の残り湯を洗濯に使うことでしょうか。
外食を減らし、旅行に行かなくすることでしょうか。
著者は、このような管理可能な見えるものを削減するのは、緊張や不便を強いる上に大した効果がないと言います。
企業で言えば、「交通費」「交際費」「広告宣伝費」と言った、目に見えるものを削減しがちですが、
本当にコストを低減しようと思えば、やることは「製造コストの引き下げ」と「業務プロセスの効率化」
といいます。
しかし、これらは見えにくいし効果もすぐに現れるものではないため、すぐに目に見えるものを削減しようとするわけです。
このことを家計に当てはめてみると、目に見えてすぐに効果がありそうな小遣いカットとか、光熱費の削減などをしがちですが、そうではなく、
一見必要に見えてしまって手をつけないことになりがちな保険を見つけて一本解約する
などの方がよほど家計のプラスになるというわけですね。
そういうダウンサイジングをしましょう、そっちの方がより効果があるというわけです。
ダウンサイジングのためには、「管理不能」な項目に手をつける
「管理不能」とは、「定年前」においては、「管理不能に見える」出費のことを指します。
先ほどの保険もそうです。
70歳を超えると負担額が減るので、貯蓄があれば医療保険は無くても困らない保険となります。
また、生命保険も、自分がなくなっても妻には遺族年金が入るし、夫の財産相続も妻の取り分は多くなるので、これも必要ないと著者は言います。
このような点検によって、一見管理不能と思われていた出費が実は不要、無駄な出費であったことがわかり、それを削る。
これがダウンサイジングなわけですね。
ちなみに著者は、自動車保険と火災保険にしか入っていないそうです。
生命保険も医療保険も長い間入っていないとのこと。
その分を貯蓄や投資に回してこられています。
車は軽でランニングコストを下げています。
保険を辞めても車を軽にしても生活はほとんど変わらない。
このようなダウンサイジングなら、悪戯に節約節約と言って、死ぬまで我慢という気が滅入るようなことをしなくて済むわけですね。
歳をとっての節約はするものじゃないですね。
更新履歴
2019-11-25 公開
2020-7-8 追記
2020-9-12 追記
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