私は、アプリに使われる身になりたい。
変なことを言うと思われるかもしれないが、私を使い尽くすほどのアプリに出会いたい。
2009年に初めてiPhoneを手にしてから数々のアプリを使ってきた。
新しいアプリを買うたびに、これが私の生活を変えてくれるかもしれないという期待でわくわくしながら使い始める。
当初は、物珍しさや,「高いお金を出したのだからそれだけの価値はあるはずだ」という気持ちで使い始めるのだが、しばらくたって珍しさがなくなり、そのアプリを使うフローが自分の生活やこれまでの進め方に合わないことがわかってくると、だんだん使う意味を失い、使わなくなっていく。
そういう経験をいくどとなく続けてきた。
私のiTunesの「アプリ」のタブの中は、そういうもう使わなくなったアプリたちが消えることなく累々と積み重なっている。いったい何万円分になるのだろうか。
しかし、その中で、いくつかのアプリは私の生活を変え、私を遠慮会釈なく使いまくってくれる存在に成長した。
目次
たすくま
発売当日に買い、その後使いどころがはっきりせずに使ったりやめたりを繰り返していたが,昨年12月よりようやく落ち着き場所を得て、すでに10ヶ月継続している。
おそらくこのアプリはずっと使い続けることになる。
すなわち「自分を見つめるもう一人の自分をきたえる」という役目を持ち、
「とったログがそのままデジタル日記に組み込まれる」という役目を持っている。
これには代替できるものがない。
落ち着き場所を得たアプリは強い。私はこき使われているのだ。
MemoFlowyやHandyFlowy
完全にそれまで使っていた数々の入力系アプリと置き換わってしまった。
これは昨年12月の発売だからそろそろ1年になるが、これもおそらく使い続けることになる。
これらにもこき使われている。
「簡単にアウトライナーに入力できないとしょんぼりしてしまいます」
「Workflowyアプリの挙動に目が回りますので、こまります」
という私の弱みを突いてくるので反撃ができない。
自動日記アプリのMOMENTO、自動移動ログアプリのMoves
MOMENTOはすでに5年、Movesも4年になろうとしている。
これらは、過去を掘り起こすのにけっこう役立つのだ。
EvernoteにもTwitterにも記録が残っていないという日はあるものだが、これらを開くことで、「あ!そんな日だった!」とか「あれはこの日だったのだ!」と思うことがある。
明確に事実を述べることが出来て助かったこともある。地味ではあるがないと困るアプリだ。
その他・・・
手書きメモアプリのGoodNotesは4年間使い続けていて他の同系統アプリの追随を許さない。
販売元: Time Base Technology Limited
価格: ¥960
generated by PressSync on 2016年10月12日
モブログの「するぷろ」は今回SLPLO Xに置き換わったが、3年以上使い続けていて今後も使い続けるだろう。
ランニングやジョギングのログのRunkeeperは、2009年からだからもう7年も使い続けている。
これらのアプリは自分の居所がちゃんとあり、代替が効かないほどの座を占めている。私は自分の生活を送るに当たって、これらのアプリがないとたちいかない。逆にこのアプリの示すままに生活を楽しんでいるといってもいい。すなわちアプリに使われているのである。
このアプリ達によって、今の私の「知的生活の希求」を基盤とした生活は成り立っているといって過言ではないのだ。
アプリを買うたびに、今度買ったアプリは、私に飽きられて累々と積み重なった使用中止アプリの倉庫に積み重なることなく、上に上げたように私を使ってくれるアプリになってほしいと願うのだ。
***
さて、この夏から秋にかけて、私は高額なアプリをいくつか買った。
Ulysses
テキスト入力のためのアプリでかなり高額だ。
出てきたアイデアを気持ちよく書き連ねていくことに特色を持ったアプリで、出力の自由度が高く、アウトライナー的な使い方も出来るため、これで本を書くという方もいる。
以前から話題になっていたのでずっと食指が動いていたが、高額なためボタンを押すところまで行かなかった。しかし、iPhoneに対応したということで思い切って買ったのだ。
確かに、使ってみると実に気持ちいい。iPad版との連携も気持ちいい。
ただし、買ってからふた月になるが、まだ「ここぞ!」という自分の居場所を見つけられていない。すごく気持ちよく書けるのだが、「書く」ということについてはWorkflowyがほぼ全てcoverしてしまっているのだ。だから「今日の研修はUlyssesを使うぞ!」とあえて思うようにしないと、今のところ使わないままになっている。
もったいない。
このアプリは自分の適切な居場所を得て、私を使ってくれるのだろうか。高額だ。なんとかそうあってほしい。
OmiFocus2
4年前にiPhone版、iPad版、そしてMac版併せて15000円以上も出してOmniFocusを買った。これはあまりのエレガントさとGTDのデビッドアレン氏直々監修ということもあり、そうとう期待したが、結局5か月使って泣く泣くやめた実績がある。
数十の大きなプロジェクトを同時並行させていくための細かなフィルターに対応できなかったためだ。この手の目的としては、Toodledoの右に出るものはない。Toodledoはタスク管理というよりもタスクデータベースとしての意味合いが強く、<=>≠≦などあらゆる条件を組み替えて膨大な量のタスクから必要なフィルタをかけて見せてくれる。Nozbe,Apigo TODOなどさまざまなアプリを試してきて、ここまでの検索機能を持つものは他にはない。そこで私の仕事ユース耐えられるのはToodledo一択だったのだ。
それが今回4年たってまたOmniFocus2を買ってしまった。仕事の内容が変わってToodledooの検索機能が絶対条件であるという状況ではなくなったということもあるが、やはり、「2になったので、私の仕事でも使えるようになったのでは・・・」という期待からが大きい。
さて、どうだろうか。やっぱりToodledooに戻ります、ということにならなければいいが。
SLPLO X
これも高い。ブログエディターとしてはすごく高い。だから買うまで2年かかった。でも、使ってみてモブログのハードルが下がると感じた。
それは、モブログをするときに、下書きであげておいて、あとからPCで開き直してチェックの上投稿、というこれまでのフローが完全に変わっていくことになるからだ。外で全て完結できる。
そうなってくれたら、私の生活が変わるわけであり、私はこのアプリ無しではモブログはたちいかなくなる。ぜひそのようなアプリになってもらいたい。
Scrivener for IOS
Scrivenerのプロジェクトをモバイルで編集するものはScrivoというアプリがありしばらく使ってきたが、7月に満を持して本家からでてきた。「Scrivener」の名を冠したアプリで期待度が高く、すぐに購入。使い始めた。
これは今回のKDP出版に際して多大な力になってくれており、出先での待ち時間、バスや電車の中などあらゆる場で原稿を書き続けた。おそらく、今回新たに書き下ろした部分の半分以上はこのScrivener for IOSで書いている。電子書籍の執筆はこれしか考えられないくらい。おそらく、今後もこれに替わるアプリは出てこないだろうと思われる。外出時には外せないアプリだ。
7notes SP
昔,7Notesというすごいアプリがあった。初代iPadが出た年だから2010年ということになる。あまりにすごい。手書きで書いた文字がかなりの高精度で認識され、テキスト化されていくのだ。
ところがアプリのすごさとは裏腹に、私の中では何度挑戦しても確たる居場所を得られなかった。
一時は勉強用のノートとして位置づけようとしたことがあり、実際に本を読みながら、手書きをしてノート化していたことがある。
しかし、最終的にテキスト化せねばならないという必然性はなく、そういう用途なら最初からWorkflowyで入力するし、手書きのみでいいならGoodNotesを使ってきた。すなわち、私の生活の有り様の中に居場所を得ることが出来なかったのだ。
それなのに、それをさらに改良したという7NotesSPを買ってしまった。
そして、また同じことを試している。
しかし、これもまた私の生活を変えてくれるような居場所を得られる期待は薄いかもしれない。
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私の生活を変えてくれることを期待して買ったアプリ達。ぜひ居場所を見つけて私をこきつかってもらいたいと切に願っている。
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