読む本は,すべて自分にとってなにかになっているはずです。
漫画であっても気づくことはたくさんあります。
それらをスルーしてしまうことはあまりにももったいないですね。
先日「ダンジョン飯」を買ってきました。
九井諒子さんの描く不思議なファンタジー漫画です。
この漫画は大変示唆に富んでいて、読んで面白かったではもったいない漫画です。
そこで、この記事では、「ダンジョン飯」タイトルについてのメモと、「抽象化」「転用」のステップを行うことに挑戦しました。
ところが,2年前に一つの生まれた一つの作品が,同じ過程を踏んでいことに気づいたんです。
そんなお話です。
目次
「ダンジョン飯」ざっくり紹介
「勇者たちは、ダンジョンの中でどうやって腹を満たしているのか」
そんな、「考えてはいけない」タブーにあえて向き合うことで、
「倒した魔物を、いかに美味しく料理して食べるのか」
という、前人未到のとんでもないテーマを得ることができた漫画です。
現在7巻まで出ています。
勇者たちがダンジョンに潜る理由はそれぞれ色々とあり、それらがサイドストーリーを彩って、一本のお話に紡がれていくのですが、
九井涼子さんの稀有な画力で、シリアスな内容が実にコミカルに描かれています。
また、毎回登場する魔物を使った料理のレシピも見ものです。
「ダンジョン飯」というタイトルやテーマからの抽象化、転用
「ダンジョン飯」というタイトルを抽象化,転用するとどうなるのでしょうか。
抽象化 なんで私はこの本を買ったのか
抽象化の一つの質問として,「なんで私はこの本を買ったのか」ということを考えました。
わたしは書店で初めてこの本に出合った時,タイトルを見てすぐにレジにもっていく気満々になりました。
それくらい,インパクトのあるタイトルでした。
「ダンジョン」と「飯」
まったく関係がなさそうな二つの言葉が並んでいます。
しかし,この二つの言葉は,関係がないのではなく,実は大ありなんですね。
だって,勇者たちは,ダンジョンの中で何日もかけて探索するのですからお腹がすくわけです。
持っていく食べ物だけでは絶対足りないだろうと思います。
私たちは,RPGゲームで丹ジョンに入るとき,そこのあたりはスルーして,探索と戦闘の楽しさに没頭できるようになっています。
しかし,ゲームをやめて,その熱狂から覚め,少し落ち着いてきたとき,思うのです。
「どうやって飯食ってんだろ」
この本をすぐに買う気になったのは,隠されたその大問題に真っ向から挑む本なのだ!とこのタイトルを見て直感したからなんですね。
一見全然かかわりがなさそうな二つの言葉は,実はかかわりがないと思いこまされてきただけで,実は大いに関係があった。
この言葉のかけ合わせがそれに気づかせてくれました。
まだ,いろいろ抽象化できると思いますが,こんなところでしょうか。
では,今度は,ここで得られた知見を転用してみます。
転用 ほかにどんな「ダンジョン◯◯」が考えられるか~ダンジョンペインターの誕生
「抽象化」で得られた知見は,
「一見かかわりがないが実は裏に関係がある二つの言葉をかけあわせることで発想を得る」
というものでした。
それを,使える形に転用すると,こんな質問ができます。
ほかにどんな「ダンジョン◯◯」が考えられるか
「ダンジョン床屋」なんていいんじゃないでしょうかね。
実は,僕は,2年前にひとついいかけ合わせが生まれ,ScrapBoxで展開したことがあります。
それは
「ダンジョンペインター」
ダンジョンとペインター
一見何のかかわりもなさそうですが,実は大ありです。
今だったら,戦場では当然随行戦場カメラマンのような人が戦いの様子を報道するために写真を撮ります。
剣と魔法の世界ではカメラなんてありませんので,当然絵を描くことになります。
勇者に隋越して,その戦いの様子をリアルにえがくダンジョンペインター。
そこには大きな商機があります。
新しい魔物,勝率の高い戦い方,魔物を倒すと何を得られるのか。
お気に入りの勇者が倒し賜物と一緒におさまるポートレート。
どれも飛ぶように売れていくわけです。
どのパーティーも,腕の良いペインターを連れていきたがります。
当然,ギルドが生まれるし,養成学校も生まれます。
その一人,ダンジョンペインター「リンス」の物語。
・・・とScrapBox上でどんどん展開していきました。
まさに「転用」です。
当時,知らず知らずのうちに,「抽象化」と「転用」のステップを踏んでいたわけです。
ダンジョンペインターについては,別の記事で紹介しますね。
転用 ほかにどんな「◯◯飯」が考えられるか
これは,よくありますね。
銭湯+飯 とか
ひとり+飯 とか
軍師+飯 とか
ここからはたくさんの名作が生まれていますね。
まとめ
漫画のタイトルからの抽象化と転用がこれでいいのか不安なところですが,一つの試みとしてお読みいただければ幸いです。
僕は2年前には「メモの魔力」のことは知りませんでしたが,「ダンジョンペインター」が生まれるにあたっては,ちゃんと「抽象化」「転用」のステップを意識せずに踏んでいたんだな,と思いました。
メモの魔力は実に有効です。
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