今 読みたい本と、将来のために買う本~私のライブラリーをつくる
上のエントリーで、本を買い集める際の私のカテゴリーを紹介していますが、実はひとつどうしようかまよっていたものがあります。
それは「グラフィックデザイン」。趣味のグラフィックデザインのためのソフトの解説書であったり作品集であったりします。
下の写真にはLightwaveの解説書がならんでます。映画やCMで使われている3Dアニメーションをつくるためのソフトで当時30万円くらいしていました。1999年から2年間のローンを組んで買いました。それいらい3Dグラフィックは自分のライフワークのようになっています。ここにはバージョン7とか8、9の解説書が並んでますが、現在は11.5でありコマンドの体系も変わっていてほとんど役に立ちません
見ての通り、これらの本は解説書とか雑誌のたぐいであり、「図書館」とか「退職後の豊かな知的生活」とかいうイメージから大きく離れています。
多分に趣味の実用書の方の性格が強く、用が無くなったら廃棄されるべき本であると言えます。
いわば、書庫にライブラリーとして収められる本とは「格」がちがうのです。
実用書は期間限定で必要な本ですから、そのうち廃棄されます。だからライブラリーに残り得ませんのでカテゴリーにいれていませんでした。
しかし、どうもひっかかる。
期間限定で用済みの本は、私は書斎の書棚から年に一度寝室の「書庫」に移動することにしています。ここで数年間寝かせて、必要なくなったら廃棄することにしているのです。
しかし、これらグラフィックデザイン関係の解説書たちは「期間限定の実用書」とすることへの違和感がどうしてもぬぐえず、私はこれらの本をライブラリーの書棚から書庫の方に移さずにきていたので、ずっと書棚に並んでいるばかりか、どんどん増えているのです。
しかし、ようやくわかりました。
これらはやはり私の大事なライブラリーの一部でした。決して期間限定の実用書ではありません。
実用書としての役目はとうに終えているのに、ときおり10年以上も前のグラフィックソフトの解説書を引っ張り出してはいとおしくそれらを眺め、そしてまた本棚にもどすのです。
なんの役にも立ちません。そのソフトはもう使ってもいないし、さらに高機能のソフトを買って使っています。
しかし、それでも繰り返し繰り返し眺める。
その図版がとても好きだったり、昔のことを思い出してあらたな発想を得たりしているのです。
これはどう考えても必要な知識を求めるために勉強として読む実用書の読み方ではないのです。
なんども繰り返し書棚から取り出しては内容を味わい、また大事に書棚に戻す、知的生活における読書とほぼ近い読み方なのです。
きっと、 こうやって大切に大切にある趣味の本を集め続けていくうちに、それが時間がたって自分の中で古典化したり、希少本化して重要なライブラリーになったりしていくのかもしれません。
だから、私は今後、自分のライブラリーのカテゴリーに「グラフィックデザイン」という項目を加えようと思います。
本当に好きで何度も見返す本は、それが期間限定の実用書であっても将来自分にとってのライブラリーのよい一構成要素となるかもしれません。
20年以上前の、NECの88とか98全盛時代、私はたくさんのソフトのパンフレットを集めていて、それが書庫に眠っていますが、これも立派なライブラリの一つだと認識しましたので、書斎の書棚の方に持ってこようかと思ったりもしています。
また、そのころのパソコン用のゲームにとても興味を持ち、3冊のゲーム雑誌を毎月買っていて、100冊以上ありました。
80年代のゲームは実に価値ある文化を作ったのですが、当時はとても「ゲーム」のような遊びがライブラリーになるなんていう気持ちはありませんでした。ただの遊びのための本です。全部すてました。
今それをもっていれば立派なゲーム文化のライブラリーになっていたんだろうなと思います。
コメント