書棚のメンテナンスが毎晩の私のルーチンタスクとなってからすでに何年経っただろうか。
メンテナンスと言ってもそんなに仰々しいものではない。本たちを愛でながら、この本はこっちの方がいいかな、こんなところにある本じゃない、もっと目のつくところへ、などと思いながらあちこち並べ換えるのである。
これが実に楽しい時間で、いったいこの時間が何になるのかわからないが、知的な充実感でいっぱいになるのできっと良いことをしているのだろうと思って長年続けている。
そうしているうちに、本を発見することがある。
「これ、読んだっけ?」
「あ、この本、こんなところにあった。」
そういう発見である。
いつ買ったのかわからない本もある。
そもそも読んだのかどうかさえ覚えていない本も。
こういうのは何だか得した気分になる。
読んだのに、忘れているのが何で得した気になるのだろうか。
それは,過去に読んだか読んでないかどうかは問題ではない。
今,目の前にとても興味深い本がポンと現れたことがよいのである。
過去の自分からのプレゼントのようだ。
今日も,書棚をなでまわしていたら,本たちの間からポンと本が現れた。新たな本の発見である。
手に取ると,「知の愉しみ 知の力」
我が敬愛する渡部昇一氏と白川静の対談だ。
これ,読んだのか読んでないのかという以前に,こんな本持っていたっけと思った。
どちらでもよいが,今日の私に発見されたからには読まねばなるまい。
ぱらぱらめくってみたら,これはもう読みたくて読みたくて仕方がなくなった。
現在,風呂から上がった後,阿部謹也氏の「世間への旅」を読んでいるが,先に「知の愉しみ・・」の方を読もうか,と思っている。
よい本を発見した。
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