今年になってから、ブログやお話、電子書籍や挿絵描き、サイト作りなどを一旦ペースダウンして、読書にかける時間を多くしました。
昨年は様々な生産に多くの時間をかけたことで、読書の時間が激減していたからです。
それだけではありません。
毎日、何からの生産に追われてあせったりあわてたりする心境になっていました。誰から言われたことでもなく、自分が好きでやっているブログ、動画、挿絵、電子書籍の原稿、サイト作りなどであるのに、いつの間にか自分で自分を追い込んでいるのです。
そして、ハアハア言っているのです。
それでも別にいいのです。
生産にバイアスをかけている時にはそのくらいないと出来上がるものも出来上がりませんので、ハアハア言いながらも、自分の心に油を注いで燃え立たせながら前に前に進んでいきます。
それでいいのです。
それをなぜペースダウンさせたかというと、振り返ってみると三つの理由がありました。
1.昨年の読書の質と量が残念だったことから
僕にとっての可処分時間は、多くても21時から24時までの3時間です。
21時前は仕事と勉強に使わないと行けないからです。
明日の準備と自分の資質をなんとか保ち続ける勉強をうまく使って残る時間が寝るまでの3時間。
家族との時間もきちんととる教師でもありたいと思っているので、その時間を引くと,実質2時間程度となります。
ここに読書も、ブログも、挿絵描きも、電子書籍の執筆も、というのは無理な話です。
様々な生産活動に力を入れた昨年は、どうしても読書は風呂で、トイレで、バスで、寝床で、とチリツモ的にならざるを得ず、まとまった時間でゆったりと読書を楽しむということはとても少なかったのです。
それを反省しました。
書斎に端座して,横に短冊をおいてメモでもしながら,書物と向き合いたい。
そんな時間を持って,読書の質と量を高めたいと思いました。
2.るうさんの本「目を閉じて見えるもの」を読んだことから
二つ目の理由は,るうさんの本を読んだことです。
年末から年始にかけて、るうさんの本「目を閉じて見えるもの」を読んだのですが、どうしても実用書やフィクションに偏りがちだった私の読書の嗜好を一新してくれるものになりました。
年末年始の休暇で時間がたっぷりあったこともありますが、言葉の一つ一つと向き合いながら味わいながら、ゆっくり時間をかけてとても質の高い時間を過ごすことができました。
今でもその時の時間を思い出すと,真珠のようです。
私は,パタパタと読むのではなくて,このようなじっくりと味わう読書をもっとしたいと思いました。
3.「遅読のすすめ」の再読から
そして,そんな時にふと手に取った山村修の「遅読のすすめ」の再読。
これで決定的になりました。
そこには、忙しい中での生活者としての悠々とした読書の姿が語られていました。
寝るときは本のことも忘れてゆっくり寝る。ご飯を食べるときには,旬の野菜に舌鼓を打ちながらご飯のことだけを考えておいしく食べる。友人との付き合いもする。
月に何十冊も読まなくていい,昼間は外で働いている生活者としての読書の仕方でした。
また、たった1分間しかない中で,質の高い読書を行うことができたことへの喜びが語られていました。
私が続けてきたチリツモ読書に「それでいいんだ」と合格をもらったかのような嬉しさがありました。
私と同じように,仕事を終えて帰ってから読書にかける時間が40分しかない中で、堂々たる書評を4冊も表した裁判官の話もありました。
私のような読書の仕方でも,やりようによっては大きな知的な仕事をすることができるという示唆をもらいました。
***
これらの本に1週間ほど浸りきっているうちに、私の読書にかける思いが増し、併せて読書に書ける時間も増えていきました。
「もっと本を読みたい!」
上にあげた三つの理由からそういう思いが強くなったのです。
そうしたら
ブログを書く時間がなくなりました。
イラストの練習を、して挿絵を書く時間がなくなりました。
教育ちゃんねるに「キリシマヨーコ」シリーズを書く時間がなくなりました。
ミニサイトを作る時間もなくなりました。
電子書籍の原稿を書く時間もなくなりました。
そしてどっぷりと浸って本を読んでいました。
ルウさんの本を読み終え、山村修の本を読んでいる途中から、私の中に一つの考えが浮かんでいました。
それは、今年はインプットに力を入れ、本を読む時間を増やそうという考えです。
昨年のアウトプットの年に対してバランスを取ろうと。今年はインプットの年にしようと。
たくさんインプットをして、何かほとばしり出るものがあったらそれを表せば良いと。
ブログも、挿絵も、原稿書きもキリシマヨーコも全てやめて、帰宅して家族との団らんの後は読書三昧で1週間過ごしました。
今日はあれしなきゃ、これしなきゃと追われることもなく、なんとも、平安で安定した時間を過ごすことができました。
そうはいっても,実際に読んでいられる時間は短いものです。
でも、実に悠々とした時間が流れていました。
短い時間ですけど、実にゆったりして豊かな読書ライフです。
こうして明日、今日よりもほんの少しだけ膨らんだ自分で子どもたちの前に立つことができる幸せです。
だから,しばらくいろんな発信のペースを落とします。
時折,あふれ出てくるように何かを創ります。
今日は,しばらくこれらの日を過ごしてきて、なんだかそんなことを書きたいという気持ちが溢れてきたので書いてみました。
コメント
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[…] 今年は,生産よりも読書に時間を使います | 知的生活ネットワークしかし、昔,書いた本を献本した方の中で,20年たった今でもその内容を覚えてくれているような人もいたりする。だから,そう深く考えずともとにかく出せよというところまで気持ちが戻ってきた。 […]