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【再会】バリバリのfilofaxユーザーだった30年前の自分に再会した。そして回帰する。

知的迷走日記保管庫

マーケットプレイスで入手した、1986年当時のfilofax本。30年近く前の本でかなり黄ばんでいます。

「filofaxの完全攻略本」と帯にありました。

この本が世に出たのが1986年の10月。僕はその年の12月に初めての「システム手帳」を買ったので、まさにfilofaxブームのまっただ中で今に続くシステム手帳ユーザーとしてのスタートをきったのでした。

読んでいると、「電子手帳」だの「ポケベル」だの「カード型電卓」など、当時を彷彿させる言葉がどんどんでてきて、実に懐かしい気分になり、一気に読んでしまいました。

その中で、はっとさせられた言葉がありました。

filofaxは携帯オフィスだ!

「filofaxは、新聞発行や印刷、文具類、版下制作などをしていた2人の印刷屋が開発したものですが、60年の歴史の中での二大ユーザーは軍人と牧師でした。彼らは、事務所で仕事をしないわけですfilofaxはいわば彼らの携帯オフィスだったわけです。ですから軍隊用や教会用のフィリルもあります」(註 これは当時来日したノーマン&ヒル社の社長の言葉を山根氏が聞いたもの)

最近になってfilofaxが世界中で人気を集めているのは、ビジネスマンが軍人や牧師のような活動の仕方をしなくてはならなくなった時代背景がある。オフィスを飛び出し、国内のみならず世界を駆け回るビジネスマンの行動は、軍人や牧師とにてきている。
P65 スーパー手帳の仕事術
この部分をよんで、しばらく呆然としていました.
1986年当時、filofaxは、そのような認識だったのです。
携帯オフィス。
そう。僕も、その頃はそのような認識でした。
カード型の文具や、定規、封筒や切手・はがき、2インチのフロッピーディスク、ルーペ、ホチキス、はさみ・・・
1986年の暮、冬休みの職員室で、およそ持ち歩きたい事務用品やなんでもかんでも収納しようとして躍起になっていたことを思い出します。
そして、少しでも仕事をやりやすくするための自作リフィルの工夫。授業の実践リフィルとか、教材研究リフィルとか、山根式袋ファイルに直結するデータベースリフィルなど。
 
ところが、いつしか、私のシステム手帳は、「データベース」中心になっていました。
Evernote登場以前は、このシステム手帳が持ち歩ける最良のデータベースだったのです。

【写真】昭和63年のシステム手帳のリフィルなど、時を超えてまだ現役のリフィルたち | 教師の知的生活ネットワーク
私はシステム手帳を単なるスケジュール帳とかノートだとは思っていなかった。持ち歩けるデータベースであるという認識をしていたのだ。 …

そして、いつのまにか「携帯オフィス」としての機能を忘れていました。
いや、忘れていて悪かった、とかそういうことではなくて、昔は確かに「携帯オフィス」としての使いかたをしてたなあ、と思いだしたということです。
考えてみると、一日中たって動き回っていることが多かった担任時代、堅牢なfilofaxは実に頼もしいノートでした。
教室で机の間をまわりながら、子どもたちの姿からの気づきをメモするとき、ずしっと手に収まって動かないfilofaxは最適なフィールドノートでした。
体育の時は、地面にどさっと放り投げて、「いいか見てろよ!」などといって、逆上がりをしてみせたこともありました。
今日の授業の指導案リフィルのページを開いて教卓に乗せ、授業をしていましたが、きちんと両側にひらくので勝手にとじてしまったりすることがありません。
家庭訪問の時は、地図をはさみこんで、このノート一冊をもって校区を歩きまわりました。

そう、私は、バリバリのfilofaxユーザーだったのです。

80年の歴史を持つファイロファックスの、その最も大きな機能である「携帯オフィス」。私はまさにfilofaxを携帯オフィスとして使っていました。

 

時を経て、その時のリフィルたちが今は立派なデータベースになっています。そしてデータベースとしての使いかたは今後もつづいていくでしょう。

しかし、今、30年近く前のこの本から、当時の自分に再会させてもらったことをきっかけに、また「携帯オフィス」としての使いかたをいろいろと工夫する日々をとりもどしてみようかなと思ってます。

わくわくします。

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