昭和20年 旅先の宿の女将の話。
その女将の部屋には最新の本がならんでいた。
なぜこの時代、新刊書がこんな街で手に入るのかという中谷宇吉郎の問いに。
「自分の実家は近くのK町なのだが、ここに変わった本屋がある。前から知っている本屋だが、この近辺の読書家からの新刊の注文を取り、月に一回、自ら東京に買い出しに行ってくれる。自分で背負って運んでくる。この奇特な本屋のお陰で、自分の読みたい本が、まず確実に手に入るのである。」
戦時中でさえ、このように書を読む努力をし、書を読む方法を自らもっている。
しかるに、私にはAmazonがあるのに、そこから読みたい新刊書を探し注文する、という簡単なことをすら怠っている。
仕組みがあっても、使おうとする気持ちがないと宝の持ち腐れだ
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