「いつか本を書きたい」と思っていた電子書籍をようやく一冊出版できたと思って安心してしまい、2冊め、3冊目と続いていかないことがありませんか?
特にシニア世代は豊富な知識と経験があるのに、執筆のハードルの高さに躊躇してしまいがちなので、1冊出したくらいではなかなか出版へのハードルはさがらないものです。
僕は「ブログ出版」という手法を使って、1年間で12冊のKindle本を出版しています。
こちらの本でくわしく解説しました。
今回はその方法を簡単に紹介します。
目次
ブログ出版とは何か
ブログ出版とは、Kindle本の原稿をWordで書くのではなく、ブログ記事として執筆・公開していく方法です。
「ブログ出版」は2023年の10月から始めました。「ブログ出版」という言葉をGoogleで検索してもでてきなかったので、これは僕の造語です。
やり方は、一つの記事に毎日少しずつ追記していき、完成したらWordに移して出版するという流れです。
これの何がいいのか?
Kindle執筆では「本を書く」という構えから筆が進まないことが多いのですが、ブログ記事として執筆すると気軽に書き始めるというところです。
また、公開しながら書くという緊張感が執筆を推進してくれます。
ブログ出版の効果的な進め方
流れは以下のとおりです。
- ブログに新しい記事を作成する(タイトルは仮でOK)
- 毎日500〜2,000文字ずつ追記する
- 記事の末尾に「現在追記中」と書いておく
- 内容が完成したら「現在追記中」を削除
- Wordに移して「はじめに」「おわりに」を追加
- 出版手続きを行う
この方法の利点は、一気に書かなくても少しずつ進められること。
2,000字ずつ書けば、5日で1万字の原稿ができあがります。
それくらいでいいの?と思われるかもしれませんが、Kindle出版では一般人が長すぎる本を書いても途中でやめられてしまうので、1万字くらいでいいのです。
なぜブログ出版が月1冊を可能にするのか
効率がとても高くなる
ブログで書く場合、「本を書いている」という精神的プレッシャーから解放されるため、文章がスムーズに出てきます。
また、出版するときに立ち止まる人がけっこういますが、ブログ出版だとブログの記事としてすでに公開されている文章なので、Kindle化へのハードルも下がります。
私の経験では、12冊中9冊をこの方法で出版しましたが、いずれも原稿執筆に1〜2週間程度しかかかっていません。
何冊かの本を並行して進められる
ブログ出版の最大の利点は、現在の本の校正作業をしながら、次の本の執筆を進められること。
ワードに移して誤字脱字の確認や構成のチェックなどをしている最中も、ブログの記事としての執筆は毎日できるわけですね。
これで、毎月コンスタントに出版が可能になるんです。
1月に出版する本の校正をしながら、2月に出版する本の原稿をブログで書き進め、同時に3月の本のアイデアを練るといった具合ですね。
ブログ出版を始める具体的なすすめかた
コンスタントに本を出し続けられるブログ出版ですが、以下のように進めるとさらにすすめやすくなります。
最初の一冊の選び方
まずは自分が得意な分野や経験を棚卸ししましょう。
趣味、仕事のノウハウ、生活の知恵など、あなたが語れるテーマを選びます。
特に「他の人の役に立つ方法」を解説する内容が読まれやすいです。
思いつかない場合は、Kindleストアをぶらぶら見て回ってください。
そこで、「あ、こんなのでもいいんだ」というような本が見つかるはずです。このテーマなら自分もかけるというようなテーマを見つけてください。
最初から長大な本を目指す必要はありませんので、8,000〜15,000字程度の短めの本から始めるのがおすすめです。
執筆から出版までのタイムライン
実際のタイムラインとしては、以下のようになります
1週目:ブログ記事として毎日追記(合計8,000〜15,000字)
2週目:Wordに移して「はじめに」「おわりに」を追加
3週目:校正と表紙制作
4週目:KDPへの登録と出版
この間、Wordに移す2週目からは次の本のブログ記事執筆を始められます。
そうすることで無理なく月1冊のサイクルが維持できます。
なぜ並行してできるのかというと、「本を書く」ということと「書いた本を校正する」ということとでは脳の働き方が違うので、無理なく一緒にできるのだと思っています。
ブログ出版の実例紹介
「Midjourney でつくる挿絵イラストの作り方」という本は、ブログで6日間かけて12,000字の原稿を書き、Wordに移した後、「はじめに」や「おわりに」を追加して19,000字の本として出版しました。
記事はこちら
出版した本はこちら。
また「人生を前に進めるノート術」は、1年以上書けずにいた企画でしたが、ブログ出版の手法を使ったところ3週間で完成し、最終的には40,000字の本になりました。
記事はこちら
出版した本はこちら
各章ごとに別記事にせず、一本の記事にするわけ
なぜ、一本の記事で全部を書くのかと言うと、章ごとに別記事にしてしまうと全体像が見えにくくなり、書き進めにくくなることが多いからです。
全体を一つの記事として書き、見出しで章を区切ると、効率的に描けるんです。
とりあえず、1万5千字程度の記事として原稿を書き、Wordにうつしてからの校正段階で必要な情報を追加することで質を高めるといいです。
私の場合、ブログ記事が15,000字程度でも、校正段階で30,000字以上に増えることがよくあります。
ブログ出版で「シニアアップデート」
ブログ出版でKindle本を出し続けることの最大のメリットは、継続的な不労所得につながる可能性があることです。
1冊の売上は小さくても、10冊、20冊と増えていけば、65歳からの年金に上乗せされる収入になり得ます。
さらに、あなたの知識や経験が形になることで、社会とのつながりや自己実現の喜びも得られます。
シニア世代の豊かな知恵は社会の貴重な財産です。
ブログ出版を通じて、ぜひその価値を多くの人に届けてください。