Suno.AIはテキストから音楽を生成するの音楽生成AIで、Googleの「MusicLM」やMetaの「MusicGen」に続き登場しました。これらのサービスと異なり、Sunoは歌詞の追加やボーカル生成が可能で、短期間で大人気になりました。
2024年3月下旬、「Suno v3」がリリースされ、JPOPやロック、ヒップホップ、演歌、ゲーム音楽など多様なジャンルに対応したり、インストルメンタル曲が生成されるようになったり、2分までの曲が生成されるようになったり、品質が向上したりなど、格段に進化しています。
この記事では、その新機能と進化の内容について述べてみたいと思います。
目次
Suno v3の新機能と進化
高速に楽曲生成可能
Suno v3は、2024年3月下旬のバージョンアップにより、数分で生成できるようになりました。楽曲生成に使われるAIのアルゴリズムがアップデートされ、楽曲の作成プロセスが効率化されたとのことです。その結果、楽曲の生成がより迅速に行われるようになりました。
体感としても、かなり早くなった印象です。
また、アルゴリズムとは関係ないのですが、別の要因としてSuno v3では歌詞を入力せずに楽曲を生成することが可能になったこともあげられると思います。歌詞のテーマや内容を考えなくてよくなったので、「曲を作ろう」と思ってから出来上がるまでの総時間が早くなりました。
生成される曲が2分に拡大
Suno v3のバージョンアップにより、生成できる楽曲の長さが最大2分に拡大しました。
V2までは1分ほどの長さしか生成されなかったので、Aメロまで、もしくはBメロまでしか作れませんでした。
しかし、今回2分までの拡大されたことで、サビを含む完全な構成の楽曲を作成できるようになったんです。
エックス上では、v3になってから「作った曲がしっかりとエンディングまで持って行ってくれる確率が上がった」という声もあります。
これで曲作りの自由度も増し、曲全体の流れを意識してより完成度の高い作品を生み出すことができるようになりました。
これまでのように、曲を生成する時に細かく区切ってプロンプトを与える必要がなくなったのはとても大きいですね。細かく区切ることで、一体感がなくなってしまうことが会ったので、一度に長い曲を作れるようになったV3の変更の価値はとても大きいと思います。
生成品質の向上
Suno v3では、生成される音楽の品質がかなり向上しました。楽器の音がよりクリアで鮮明になりました。音色や音の質感がよりリアルに再現されるようになったということですね。
ある動画で同じプロンプトで生成したV2との比較を効かせてくれていましたが、音の広がりと臨場感が格段に違いました。ピアノやギターなどの楽器の音が、より自然で生々しく聞こえるようになっています。
楽器やボーカルなどの音がより明確に分離されるようになったのも大きな価値ですね。それぞれの楽器が混ざりあったような感じではなく、独立して聞こえるんです。かなりクリアです。
また、ステレをサウンドが実現されたのも臨場感がでるのに大きく役立ってます。ステレオサウンドは、左右のチャンネルを使って音を分離するので、より広がりのあるサウンドがつくれるんです。以前より確実に臨場感が増しています。
ボーカルでは、歌声がより自然になっているとのこと。感情豊かに聞こえるようになりましたと言われています。私はボーカル曲を生成しないので、この部分は口コミからです。
インスト曲の生成
今回のアップデートで私が一番嬉しいのは、ボーカル無しのインストルメンタル曲の生成が可能になったことです。ゲーム音楽やBGMが自由に作れるようになったからです。
YouTubeの動画を作る時に、そのBGMをどうするかということはいつも頭をかかえていました。フリーの音源はどこだったっけ、以前ダウンロードした音源はどこにしまってたっけ、なかなかいいBGMがみつからなくて時間がどんどん溶ける・・むしろBGM選びの方に時間がかかってるかも・・・というような無駄な時間を使っていたんですよね。
それが今回のバージョンアップで一気に氷解しました。こんな曲が一撃でできてしまうからです。
なんか、めちゃくちゃええなー
— りゅ〜@ブログ✕Kindle成長戦略 (@glyustyle) March 31, 2024
どんなプロンプトにしたらこんな音楽ができるかだいたいわかってきた。https://t.co/TfjHONDVXQ
BGNを手に入れる用途としては、これまでに使ってきたどのAIやサービスよりもコスパがいいです。
サポートするジャンルの拡大
v3への最新アップデートにより、楽曲生成の対象ジャンルが大幅に増えました。
従来のJPOP、ロック、ヒップホップといったポピュラーなジャンルに、今回演歌やゲーム音楽といった、これまでSunoでは取り扱われていなかったジャンルの楽曲生成が加わりました。
私の用途はYouTubeのBGMがほとんどなので、インストルメンタル曲の生成ができるようになったことも併せて、各シーンに合わせたいろいろな音楽がつくれるようになったことはとても嬉しいです。
Suno v3の操作
基本の操作
SunoAIの公式ページでアカウントを作成し、中にはいったら、左側にある「Create」ボタンをクリックします。
出てきた画面で楽曲を作るための詳細設定に入ります。
最上部のCustom Modeをオンにすると、Lylics(歌詞)やタイトル、スタイルなどを入力することができます。「Make Rondom Lyrics」で歌詞を生成することができます。スタイルなどに日本語で書くと、歌詞も日本語で生成されます。
まず、「Lyrics」の欄には希望する歌詞を入力します。インストルメンタルを作りたいときには、歌詞欄の下にある「Instrumental」のスイッチをオンにします。
すると、スタイルやタイトルのみ扱えるようになります。
「Style of Music」の欄には生成したい楽曲のジャンルを指定します。
私は、Lo-Fi、Chill、CityPop、SmoothJazz,Mellowなどの言葉をよく入れます。
「Title」欄には楽曲のタイトルを設定し、「Version」選択タブでV3を選択します。これでV3の品質の音楽を作ることができます。
「Create」ボタンを押すと、1分もかからずに楽曲が生成されます。
V2と比べてほとんど操作に変更はありませんが、、「インストルメンタル」スイッチがついたこと、歌詞の自動生成ができるようになったことは大きな変更と言えます。
入力するプロンプトの例
たとえば、青春時代の夢をテーマにしたJPOPの歌詞を作りたい場合、スタイルオブミュージックの部分には「JPOP」と入力してみます。
また、おしゃれで軽快なポップがほしいときは「CityPop Upbeat」などのプロンプトをいれてみましょう。
リラックスした曲がほしいときは「Lo-Fi」「Relax」と入れるといいです。
80s、90sなどのように年代をいれるとその次代に流行ったスタイルで作ってくれます。
ジャンル・・・Jazz Rock SmothJazz Jpop Fusion Lo-Fi Chill TropicalHOUSE ・・・
年代・・・80s 90s
テイスト・・・anime KAWAII
ビート・・Upbeat Mellow
以上のような言葉を組み合わせて入力すると、自分のイメージになった曲をかなり高確率で(体感)作ってくれます。
2分以上の曲をつくるには
Suno v3では、2分までの曲を作ることができるようになり、最後まで生成されることが多くなりましたが、それでも途中で「ブツッ」と切れてしまうことが多いです。
このときは、その曲の右の三点リーダーをクリックし、「Continue from this song」を選択し、続きを1分を生成します。
これで通して聞いた時、スムーズにつなげて演奏してくれます。
また、V3では好みのところから始められるよう、開始時間を指定できるようになりました。
生成時には2曲つくってくれるので、どちらか良い方を選びましょう。
2回の生成で少なければ、また「Continue from this song」をクリックして3曲目を作ります。
3曲目をつくるときに、プロンプトの後ろに[end]を付け加えれば、曲を終わらせてくれる(めちゃ便利!)
こうしてPart2,Part3ができました。Part3にはプロンプトに[end」が付加していますので、全体つなげるときれいにはじめから終わりまでつながった曲になってくれます
これらを全部つなげた曲を生成することができます。
最後の曲、ここでは3つ目の曲ですが、そのの三点リーダーをクリックし「Get Whole Song」をクリックします
すると、以下のように「Full Song」というラベルの付いた曲が生成されます。上の3つが繋げられた1曲がこれで完成します。
この曲をダウンロードするには、三点リーダーから、Download→AudioをクリックしてDownloadしてください。
できた曲がこちら。カバーイラストもいい感じです。画像をクリックして聞いてみてください。3分目、4分目の切れ目を全く感じません。
Suno v3の利用料金およびライセンス
利用料金とライセンスの詳細
Suno v3の利用には、複数のプランが用意されています。
基本となるのは無料で利用できる「Basic Plan」です。
このプランでは、ユーザーは毎日50クレジットを受け取り、これを使用して最大10曲(1回の生成に10クレジットを使用し、1回の生成で2曲が提供されるため)まで生成することが可能です。
毎日10曲無料でつくることができるので、嬉しいですね。
しかし、Basic Planで生成された楽曲は非営利目的での使用に限られています。つまり、YouTubeのBGMに使ったり販売したりすることはできません。
これらの商用目的で楽曲を使用したければ、「Pro Plan」またはさらに上位の「Premier Plan」を選択する必要があります。
Pro Planは月額10ドルですが、月に2500クレジットもらうことができます。1曲5クレジット使うので、月に500曲つくることができるというわけですね。
そして、これらはBGMで使用したり、販売したりすることができるんです。
気をつけるべき点としては、一度の生成で2曲つくるようになっているので、プロンプトを入力して生成するだけで2曲分、つまり10クレジット消費するということです。
そして、それが気に入らなければまた10クレジット消費して気に入る曲ができるまで「ガチャ」をすることになります。
それでも私は1日500クレジットほど使って50曲作った歳、気に入った曲を15曲ほど手に入れることができました。
気に入った曲を1日15曲も生成してダウンロードできるサービスは初めてです。
これで足りなければさらに上位のPremerプランとなります。
月額30ドルで1万クレジットもらえるようになります。2000曲分ですね。
ProもPremierもどちらも年払いがあり、Proでは月額換算で8ドル、Premierでは月額換算で24ドルとなります。
まとめ Suno.AI V3の新機能と進化の内容
この記事の内容を以下のようにまとめてみました。
- 2024年3月下旬に「Suno v3」がリリースされた
- JPOPやロック、ヒップホップ、演歌、ゲーム音楽など多様なジャンルに対応している
- インストルメンタル曲の生成が可能になった
- 楽曲の最大生成長が2分に拡大された
- 楽曲生成の品質が向上した
- 楽曲生成が高速に可能になった
- 歌詞を入力せずに楽曲を生成できるようになった
- 開始時間を指定して続きの楽曲を生成できる
- 無料の「Basic Plan」と商用利用可能な「Pro Plan」「Premier Plan」がある
- 「Pro Plan」は月額10ドルで月に2500クレジットが付与される
- 「Premier Plan」は月額30ドルで1万クレジットが付与される