「どこでも誰とでも働ける」という本があります。
転職を12回も繰り返したという尾原和啓氏の本です。
経歴はそれは凄いのですが、ここでは割愛します。
「どこでも誰とでも働ける」というタイトルは実に魅力的です。
その根底には、身軽に仕事を変えていくということが前提にあるからでしょうか。
仕事をする場所が変わり、組む相手が変わり。
そういうことができるということですね。
この本は、定年退職後転職という働き方を探るために夏頃購入したのですが、改めて読み返しているうちに、この言葉に再会しました。
「ネット上に信頼を蓄積する」
これは、自分はこのようなことができる者であり、このような仕事をしたという成果を積み重ねていくことで、ネット上に信頼が積み重なり、そこからさらに仕事が加速していくという文脈で語られています。
そもそも、インターネットの本質は「リンク、フラット、シェア」「糸井重里)でおり、
多くの企業や人と対等に「フラット)つながり(リンク)、知識や成果を分け合う(シェア)
そのような働き方が,今後ますます一般的になっていくはず。
そういう働き方は,自分が何者であり、何ができて何ができないが公言することが前提とされるはずです。自分のことを丁寧に説明し,人に自分が何を提供できるのかを理解してもらわなければならないからです。
その上で人同士が結びついて,あるプロジェクトが行われ,その仕事に対して,人が評価をしてくれる。
その繰り返しによる積み重ねです。
こうして得られる自分の成果をプロフェス(公言)していくことで信頼がたまるのです。
信頼がたまることでどこでも誰とでも働ける人になることができる。つまり,終生,ひとつの仕事,組織に隷従しなくてもよい働き方ができるようになっていくわけですね。
これは魅力的な考え方です。
キラキラした自分を見せびらかすということではなく、そこにはフラット、リンク、シェアの働き方で得た成果を書いていくのです。
ここに虚飾がないから信頼がたまります。
このフラットな働き方は,圧倒的なパワーの前に従属する働き方ではありません。
「自分はこれができてこれができない。あなたのやろうとしていることについて,私のこの力を提供することができる。」
こうして、必要としている人と提供できる人とがネット上でフラットにつながる。そして、分け合う。
こうしたつながり方を蓄積していくわけですね。
仕事はどんどんインターネット上で行われるようになっていくのだから、フラットにつながり、シェアできる人でなければビジネスができなくなっていく可能性があります。
Linkdinなどは、そんな思想から設計されているのでしょうか。
私の持っている能力を活用したい人と、能力を提供したい私とが、どんどんつながりあっている印象があります。
定年転職活動にLinkdinはよさそうですね。
ただ、働き続けるのではなく、企業とフラットに付き合い、どんどん組み替えながら仕事をしていく。、、その根底には、ネット上で積み上げた自分のプロとしての信頼がある。
そんな働き方ができる時代、いや、しなければビジネスの輪に入らない時代がそこまできていそうです。
更新履歴
2019-12-11 公開
2023-6-17 更新
2023-08-03 更新
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