注 このページの内容は,以下のサイトにまとめました。 2017-1-1
Evernoteを始めとして、すぐれたデータベースシステムをいつでも持ち歩けるようになりました。夢の様な話です。
でも、そんな便利な時代だからこそ、あらためて手作りのデータベースを紹介して見たいと思います。
このブログでもなんどか取り上げてきた「山根式袋ファイルシステム」です。
【写真】昭和63年のシステム手帳のリフィルなど、時を超えてまだ現役のリフィルたち |
山根式袋ファイルとは・・・ジャーナリストの山根一真氏によって考案
検索性に優れたファイルシステム。
「1ファイル10円でつくるデータベースシステム」(山根氏談)
- すべての情報を角形2号の封筒に入れて規格統一
- 「あいうえお順」に並べておく
されだけで,検索性、経済性、拡張性、保存性などに優れ、非常にコストパフォーマンスの高いデータベースシステムが可能になる。
一つの袋には,紙,写真,パンフレット,写真のフィルムなど
すべて角型2号という大きさに規格統一されて並べられる。
封筒の端に用意された3文字のインデクスボックスは、封筒を書棚に並べられていてもインデクスははっきり見える。
これにより、どんな情報も15秒以内に検索できると山根氏。
200袋くらいまでは、実測では10秒もかからなかった経験がある。
1986年頃山根式袋ファイルのことを知って、すぐに角形2号の封筒を100枚買ってきて、100枚の袋ファイルを作成。
インデックスボックスには「指導案」なら「シドウ」とカタカナで書きその下に「指導案」と書いておく。
給与明細の封筒には「キュウ」と書きその下に「給与明細」と書く。
そうやってあちこちにごちゃごちゃになっていた紙の書類を全てインデックス化し、封筒に納め、本棚に並べることで見事に整理されただけでなく、すぐに検索できるシステムが生まれた。
それまで何年もの間、雑多な情報を上手に整理できず、ほしい書類を探すのにかなりの時間をとられていた私にとって、どんな情報でも同じ場所に同じ規格で収められ、たった15秒以内に探すことができるというシステムが出来た事は大きな変革だった
その後紙の情報は何でもインデックス化してきました。
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山根式袋ファイルのつくりかた
封筒の左端の上の方に、ボックスを書く。見栄えを浴すために下のような手順で行う。
角型2号封筒、カッター、ペン、定規などを用意。
真ん中の青いガイドは山根式袋ファイルの本にあった型紙を使って自作。
①上部から縦に入った切れ目を封筒の端に合わせる。 ②上部の辺は封筒の折れ目のところに合わせる。
ガイドのスキマにペンを入れて線を引く。
インデックスボックスと、上部の横の切り取り線が書ける。(逆に言えば、これがかければわざわざ青いガイドを作る必要はない)
切り取り線をカットすれば、同じ規格の袋が出来上がり。
指導案や授業記録は各学年ごと、教科ごとに封筒を作りインデックスしていたので封筒が瞬く間に200、300に。
「あいうえお順」に並べられているので検索はほぼ10秒以内。
紙の書類が整理できず、ごちゃごちゃになっていた情報の山が
↓
角型2号に規格統一されて10秒以内に検索できる形で整然と本棚に並ぶように。
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超整理法の押し出しファイリングとの比較
この袋ファイルシステムを使い出して5,6年した頃、90年台の中頃「超整理法」が出ました。私は早速その押し出しファイリングを試してみました。
とても実用性に富んだ優れたファイルシステムでした。使ったファイルを一番左側に入れるだけです。1度使ったものはまた使う可能性が大きいという人間の行動の原理にそった方法でした。
私はそれを現在も仕事場の事務机の中のファイルの管理に使っています。
このように事務的な処理を行うためのファイルシステム、それもそう多くないファイルのシステムならこの押し出しファイリングシステムはとても役に立ちます。
しかし、知のデータベースとも言うべき私の袋ファイルでは押し出しファイリングは使っていません。「あいうえお順」を頑固に守っています。数百もの沢山の数の袋ファイルの中からほんの10数秒で見つけてくれるには「あいうえお順」がいちばん。山根式袋ファイルシステムの真骨頂です。
こうして私は職場で押し出し押し出しファイリングシステムを使いながら、自宅の300ほどもある袋ファイルからなる知のデータベースでは「あいうえお順」の山根式袋ファイルシステムを今でも大事に守っています。
山根式袋ファイルシステムのおすすめポイント
簡便性、経済性
袋ファイルシステムは、封筒を買ってきてインデックスを書き、そのなかに放り込んで書棚にたてるだけというとても簡単なシステムです。
袋代に1000円ほどかかるだけでとても経済性的です。
携帯性
研修や、会議など必要なときにはその関連の袋ファイル1つをカバンに入れて持っていけば済みます。
仕事や打ち合わせが終われば、持って帰ってまた自分の決まった位置(あいうえお順)に収まればいいのです。
山根式袋ファイルは、持って歩ける「知のデータベース」ともいえます。システム手帳に通じるところです。
拡張性
新しいデータが増えたらすぐに袋ファイルを作ってインデックス化し所定の位置に並べればOK。また、特別なキャビネットを必要とせず、袋を買ってきて並べるだけです。棚さえあけられればいくらでも拡張できます。
私の袋ファイルは、一番多い時で500ほどありましたが、本棚3段程度でした。書棚1段の半分くらいから始め、じょじょに広がっていきました。
保存性
角形2号という封筒に入った情報は、その後28年たっても何の損傷もなく整然と本棚にあります。角型封筒が堅牢なので、いったんその中に入れておけばなかに入っている書類自体は痛みもせず、散逸もせず、決められた場所にずっとあり続けます。
下は、88年頃、NECのパソコン9801を買った時に、当時流行っていたソフトを購入するために集めてきたパンフレットです。見る人が見れば感涙ものだと思います。
これらがまったく損傷もなく書棚にいつでも取り出せる状態で並んでいます。
システム手帳との連携
私の「データベースシステム」のコアは、この袋ファイルです。日頃とっているメモも、最終的な行き場はここです。
名刺大のカードに書いたメモも、
システム手帳に書いたリフィルも、最後はこちらでデータベースの一分になるんです。
昨日紹介したシステム手帳の自作リフィルにこの山根式袋ファイルのインデックスが出ていたと思います。
【写真】昭和63年のシステム手帳のリフィルなど、時を超えてまだ現役のリフィルたち |
システム手帳のデータベースも「あいうえお順」でした。つまり、リフィルを書いている時点で、最終的な行き場である袋ファイルを意識しているわけです。
こうして頻繁に検索されるリフィルはずっとシステム手帳に居残りますが、まれにしか検索されないものはバインダーから外されて同じインデックスを持つ袋ファイルに入れられ、次の検索の時を静かに待っていてもらうことにしています。
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まとめ
僕はEvernoteのヘビーユーザーで、2009年から毎日10数個のアイデアを書き留め続けてもう5年目になろうとしています。ノートは13000程も有り、さまざまな情報はすべてEvernoteに入れていこうという意欲まんまんです。スマートフォンさえあれば、こつこつと構築してきたデータベースにいつでもどこでもアクセスできます。とても便利です。
こういうことを、28年前の私は夢見て、少しでもそのような知のデータベースを構築したくて山根式袋ファイルシステムを構築し始めました。
「いつでもどこでも」検索という夢が現実になった今も、このアナログのデータベースシステムは色褪せません。なぜならいくら世の中がデジタルになっても、世の中には紙による情報が満ち溢れているからです。紙の情報の時代が続く限り、実物のデータベースの重要性は健在です。
検索15秒。
これはEvenoteではできないことです。
袋ファイルでは「いつでもどこでも」というわけにはいきません。
でも
「あの書類のところへは必ず15秒以内でいきつける。なぜなら必ずそこにあるから」
という信頼性は莫大なものです。
私の袋ファイルによる知のデータベースは今後もどんどん広がっていくでしょう。
デジタル時代だからこそ、もういちど実物を見なおしてみることをおすすめします。
コメント
すごい整理法ですね!
きれいにできてますね!
この定規の素材は何をつかってるんですか?
またこれはカッターで線をいれたのでしょうか?
コメントありがとうございます。
山根式袋ファイルシステムは知る人ぞ知るという、すごいシステムです。
目にとめて頂いてうれしいです。
定規は、リングファイルなどのプラスチックの表紙を切ってつくりました。
ちょっと暑いプラスチックなので何度もカッターをいれて、あなを抜いています。
もう20数年も前の話です。
ぼくは調べたことはありませんが、山根氏によると、この封筒は売られているそうです。