松下幸之助さんの「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる」という言葉はとても含蓄に富んでいます。
僕はこれを,失敗の多くは成功するまでに諦めてしまうところに原因があるというように受け止めています。
諦めてやめてしまうことがなければ,失敗のしようがないからです。
大事にしたい言葉です。
やめてしまわないための「棚上げ」の工夫
僕も一旦はじめたら簡単にはやめないようにしています。
どうしてもできないときにはやめないための工夫があります。
それは「棚上げ」にすることです。
棚上げとは
棚上げとは、継続して取り組むことを一旦やめる、ということです。
「やめる」と書いていますが、継続をやめることであって、取り組み自体をやめることではありません。
オフの時間を作るということです。つまり「再開」のタイミングがくることを前提とした言葉なんです。
完全にやめてしまう、ということと、再開の時が来るまでいったんやめるということには大きな違いがあります。
それは、「あきらめてしまった自分への自己嫌悪」を感じなくてすむということです。また再開する時が来るんですから、そもそもあきらめたりはしていません。
なので、何かの継続をやめたいと思ったときには、その取組を諦めるのではなく、再会の時までオフにする「棚上げ」をすることをおすすめします。
「やめた」ことを「棚上げ」に切り替える
棚上げということを知っていると、「だめな自分」というような自己イメージを落とすことがありません。なので、いったんやめたことで自分のイメージを下げていることがあれば、それをすぐにでも「棚上げ」に切り替えるべきです。
やることは簡単、一度だけ再開してみることです。
やめたはずのことを、再開して見さえすればそれで結構。再開しさえすれば、これまでオフの期間はあったけど、長い目で見た時継続しているということになるんです。
自分の人生上のことです。そう考えればいいじゃないですか。
そして、また継続がきつくなったらオフにしたらいいんです。そしてまたどこかで再開する。
その繰り返しのことを、私は「三日坊主リピーター」と言っています。三日坊主を繰り返すということです。よくないとされている「三日坊主」を肯定的に捉えた言葉です。
「棚上げ」を可視化することで、いつの日にか再開する気持ちを高める
棚上げしたことをいくつもためていると、何がなんだかわからなくなります。
そこで、「週次レビュー」など、振り返りをするタイミングで,「今やっていないこと=棚上げにしていること」をちゃんと記録しておくんです。
渡しの場合は、週次レビューをしているnoteに「棚上げにしていること」というセクションを作り,そこに,書きためていました。
最初のKindle本を出版したのは,構想から7年,実際に描き始めてから3年かかりました。
その間,人生最多忙期であったり,関心がうすれたりしてやらない期間がありました。だから7年もかかたのです。
しかし、その期間は,毎週の週次レビューのときに,棚上げセクションに「本の出版」と毎週描き続けていました。
この可視化のお陰で、毎週,「本を書くことは今は棚上げしているけど,チャンスが巡ってきたら再開するんだ,と意識し続けることができたんです。
棚上げをしているときは,確かにそのことについて行動はしていません。
でも,やめてもいません。
必ずどこかで再開するぞ,という意識は持ち続けているんです。
その結果,数年かかった後,晴れて本の出版にこぎつけることができました。
本当にやめるタイミングとは
いつまでもだらだらと「棚上げ」を続けていてもだめなこともあります。
そういう見極めをもって,これ以上やってもだめだと損切りする覚悟と決意も必要です。
なので,一旦やろうと決めてはじめたことをやめるためには,「今日でやめる」ときっぱり宣言することにしています。
止めるための指標は、自分のミッションと照らし合わせてみること。
僕のミッションは「シニアを元気に!」です。
「また何か始めた」と言って始めたことが、世の中のシニアたちが明るく元気で過ごすことができるようにすることにつながるか、そうでないか。
繋がらないなら,途中でキッパリと損切り宣言してやめます。
しかし,それを頑張った先にミッションの達成に繋がるならやめない。
「ゆく道は精進にして,忍びて終わり悔いなし」
これでいいのかどうか,ということですね。
2022年12月21日 公開
2023年8月11日 内容修正とタイトル変更
2023年8月22日 見出しを二つ追記
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