2025年3月、私たちは「ChatGPT Image 1.0(GPT-4o Native)」の登場に衝撃を受けました。
それまでのDALL-E 3とは次元の違う、文字も書けるし指示も通る「ネイティブ生成」の威力。これでもう十分だ、と思った方も多いはずです。
そして2025年12月16日、その正統進化版となる「ChatGPT Image 1.5」がリリースされました。

この記事では、すでにImage 1.0の凄さを知っているあなたに向けて、以下の点について調べました。
- Image 1.0から何がどう進化したのか?(速度・コスト・一貫性)
- 最強のライバル「Google NanobananaPro」との使い分け
- 今すぐ試すべき「新しい画像生成の常識」
目次
ChatGPT Image 1.5とは? ネイティブ生成の「完成形」
- Image 1.5の立ち位置
- 「バージョン1.0」の課題だった点
まず、前提を整理しましょう。今回の「Image 1.5」は、DALL-Eシリーズの続編ではなく、今年3月に始まった「GPTネイティブ画像生成(Image 1.0)」のメジャーアップデートです。
Image 1.0は革命的でしたが、半年間使い込んだヘビーユーザーなら、こんな不満を感じたことがあるのではないでしょうか?
- 「修正ガチャ」への疲れ
「表情だけ変えて」と頼んだのに、服や背景まで勝手に変わってしまう。 - 待ち時間の長さ
高機能ゆえに、生成完了まで数十秒待たされる。
Image 1.5は、まさにこの「実務で使う際のあと一歩の壁」を破壊するために開発されました。
単なる機能追加ではなく、モデルの基礎体力(推論速度と論理性)が根本から強化されています。
Image 1.0 vs 1.5 徹底比較【3つの進化点】
- 進化①:思考を止めない「4倍速」
- 進化②:別物にならない「一貫性(Consistency)」
- 進化③:実務に嬉しい「コストダウン」
具体的に、1.0と比べて何が変わったのか。ビジネスパーソンにとって重要な3つのポイントに絞って比較します。
①【速度】思考を止めない「4倍速」の衝撃
最も分かりやすい変化がスピードです。
OpenAIの公式発表および実測において、Image 1.5は前モデル比で最大4倍の生成速度を叩き出しています。
- Image 1.0: プロンプト送信 → 「少々お待ちください…」 → 生成完了
- Image 1.5: プロンプト送信 → 即座に描写開始 → 生成完了
この差は、単なる時短ではなく「あ、ちょっと違うな。じゃあこう変えてみよう」という試行錯誤(トライ&エラー)のサイクルを高速で回せるということです。
アイデアが冷める前に次の画像を出せる、このテンポの良さはクリエイティビティに直結しますよね。
②【一貫性】「修正ガチャ」からの完全な脱却
これが今回の目玉機能と言われています。
Image 1.5は、「Global Consistency(全体的一貫性)」を維持する能力が劇的に向上しました。
これまでの画像生成(Image 1.0含む)は、修正指示を出すと、画像全体を再計算してしまう傾向がありました。
「背景を海にして」と言うと、キャラの顔まで微妙に変わってしまい、「さっきの顔が良かったのに!」となる現象です。
Image 1.5の「Precise Editing(精密編集)」:
- キャラ固定
顔立ち、髪型、服装を固定したまま、ポーズや表情だけを変更可能。 - 環境固定
部屋のレイアウトや小物を維持したまま、照明や天気だけを変更可能。
「同じキャラクターで、喜怒哀楽の4パターンを作りたい」。この当たり前の要望に、ようやくChatGPTが満足できるレベルで応えられるようになりました。
漫画制作やプレゼン資料のストーリー作成において、これは革命です。
③【コスト】API利用料が「20%オフ」に
地味ですが重要な点です。API経由での利用料金が、Image 1.0と比較して約20%安くなったとのこと。
企業でツールを導入する場合や、自作アプリに組み込む場合、性能が上がってコストが下がるというのは最強のメリットです。
ライバル「NanobananaPro」との決定的な違い
- Googleの怪物「NanobananaPro」の実力
- 「一撃のGoogle」vs「対話のOpenAI」
- あなたはどっちを使うべき?
現在画像生成界隈では今、Googleの最新モデル「NanobananaPro」の評価が爆上がりしています。
私もそうです。9月にNanoBananaが登場して以来、一度もChatGPT image1.0を使うことはありませんでした。
11月22日の、NanoBananaPro登場以降は、なおさらです。
そんなNanoBananaProとChatGPT Image 1.5とどっちがいいのでしょうか。
Google NanobananaPro「一撃必殺」の覇者
NanobananaProは「文字描写」と「図解生成」において、ChatGPTをも凌駕する能力を持っています。
- 特徴: 最初のプロンプトさえ完璧なら、複雑なフローチャートや日本語の長文が入った図解を、一発で崩れなく生成します。
- 強み: 圧倒的なレンダリング能力。写真のようなリアリティや、デザインされたスライドのような完成度を「一撃(ワンショット)」で出してきます。
ようは、NanoBananaProでは、こんなのが文章を読み込ませることで一発でできるんです。おなおしゼロです。

さすがに、現段階ではChatGPT Image1.5ではここまでは難しいです。
ChatGPT Image 1.5 「対話進化」の達人
対するChatGPT Image 1.5の強みは、やはり「対話(Chat)」にあります。
- 特徴
たたき台を出させた後、「ここの色を変えて」「この文字を右にずらして」といった微調整を繰り返しながら完成度を高めるスタイル。 - 強み
前述した「一貫性」。キャラの顔を維持したまま微修正を重ねる作業は、GoogleよりもOpenAIの方が得意な傾向にあるという報告があります。
たしかに、NanoBananaProでは、微調整の繰り返しを続けていると、全然変わらないことが多くなります。
また、一貫性に関しても、動画による報告を見ていると、image1.5に軍配を上げる人が複数いました。
ゼロイチは、image 1.5のほうがよさげ
以下の言葉だけでゼロからイメージを生成させてみました。
可愛いバナナの妖精。アニメ調
すると、
image1.5では以下のようになりました。

同じことをNanoBananaProでやってみました。
以下のようになりました。

こちらもいいのですが、「アニメ調」というユーザーの意図するイメージからすれば、image1.5のほうがいいです。
NanoBananaProはゼロイチが苦手とよく言われていますが、私もそれを感じます。
【結論】どちらを選ぶべきか?
NanobananaProがおすすめ:
「仕様は固まっている。一発で完璧な図解や資料画像を出してほしい」
エンジニア気質で、完璧なプロンプトを書くのが得意な人。
ChatGPT Image 1.5がおすすめ:
「作りながら考えたい。対話しながら徐々に理想に近づけたい」
ディレクター気質で、修正指示を出しながらクオリティを上げたい人。
同じキャラで複数のカットを作りたい人。
どちらが上かではなく、「一発撮り」か「編集作業」か、あなたの好みのスタイルで選ぶのがよさそうです。
というのも、上に上げた指標も、現時点では人によって全く感想が変わるからです。
SNSでのリアルな評判「ここが神、ここが惜しい」
- ユーザーたちの本音
- 現場でのリアルな評価
発売から数日が経過し、SNSでは多くの「本音」が飛び交っています。
肯定的な意見
「仕事で使えるレベルになった」
これまでは「趣味のおもちゃ」だったのが、一貫性の向上により「バナー制作の実務に耐えうる」という評価に変わりました。
「速さは正義」
4倍速の恩恵は大きく、ストレスなく何枚も生成できる点が絶賛されています。ただし、私自身は、4倍速という感覚はありませんでした。はるかにNanoBananaProの方が速く、その速さになれてしまっているからです。
「4倍速」というのは結構な誇張表現である気がします。
比較・冷静な意見
「文字や図解の一発出しならGoogleかも」
NanobananaProの精度の高さに気づき始めた層からは、「用途によって使い分けるのが賢い」という冷静な意見も出ています。
「プロンプトへの依存度はまだ高い」
くらAIが進化しても、こちらの指示が曖昧だと良い結果が出ない点は変わっていません。
まとめ
今回のポイントをおさらいしましょう。
- 一貫性が最大の武器
「修正しても顔が変わらない」という安心感が、ビジネス利用の扉を開きました。 - 使い分けが重要
一発で決めたいなら「NanobananaPro」、対話で作り込みたいなら「ChatGPT Image 1.5」。
【明日からのアクション

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