※2021-3-22 定年退職を10日後に控えて再読しています、
Lyustyleの書評記事です。
メルマガ「知的迷走通信」で連載していた書評記事からこちらにすこしずつ掲載するプロジェクトを行っています。
今日は,その20本目,楠木 新 氏の「定年後」をお送りします。
定年後のリアルな変化の体験をレポート
私は,以前から私がブログやメルマガに定年後の備えということについて何度も書いてきました。
今日は、その考えをさらにブーストしてくれた本、「定年後」です。
著者の楠木新氏は、サラリーマン時代から物書きとしての次の人生へ向けての助走を始めていました。
そして、定年と同時に、定年後の自らの感覚の変化や人々の生活のウォッチングを始め,それをレポートします
「3週間余りが経過すると,だんだん曜日の感覚がなくなってきた」
「2,3か月経過しても,開放感は依然として続いていたが,同時に会社からの拘束や仕事上の義務の中に自分を支えていたものがあったことに気づき始めた。」
「生活のリズムが乱れ始めてきた」
「名前を呼ばれるのは病院だけになってきた」
「定年後」楠木 新
数日後、数ヶ月後、だんだんと変わっていく自分の感覚や周りの様子などが実にリアルです。
備えなく定年退職を迎えてしまった人に待ち構えているもの
そして、何も備えなく定年を迎えてしまった人たちが、どんな生活をしているのか、はたまた、その家族がどのような問題を抱えていくのか。
これまで日中はいなかった夫が、何をするでもなく一日中家にいることで、心身症を患う奥様。
「何か仕事を始めて、日中は家にいないで」とはっきり申し渡される夫
備えがないまま定年を迎えたらこんな問題が待ち構えているのか・・。そんな実感がわきました。
名前を呼ばれなくなるようになるなんて・・・。社会から自分が切り離されてしまった感覚でしょう。
決して早くはない
まだ、40代だし、定年後のことなんてまだまだ先。関係ないよ、とおっしゃる方。
40代ならば、もう十分人生のターニングポイントを超えています。
定年60歳として、あと20数年あります。
その後80歳まで生きるとして、その20年間をどう過ごしますか?
今は90歳まで生きる方が多いので,「へたすると」定年後30年間もいきていかねばなりません。
まだお若い今だからこそ、そのことを考えて、備えを始めなければなりません。
「在職中から新たな取り組みをスタートすることが肝要なのである」117
定年後
なぜ在職中から備えを始めるのか
では,なぜ在職中から定年後の備えをしておかなければならないのでしょうか。
それは、定年してからでは、
- 何を始めようかとあれこれしているうちに時間が過ぎ、
- 意欲も減退し、
- 家にも外にも居場所がない孤独で退屈な20年間を過ごさなければならなくなってしまうから
本の中に,「これから20年もこんな何もすることのない退屈な生活を送らねばならないのか」と愕然とする人の話が出ていますが,これは確かに大変なことです。
80まで生きるとして、定年後の自由になる時間は、定年まで働いた労働時間の総数よりもはるかに長いのだそうです。
それだけの長い時間,この、本当に好きなことができる人生の黄金期とも言える時期を有意義に過ごすためには、在職中から複線の人生奧っておかねばならないわけです。
「会社勤めという単一の仕事だけでは、人生を生き抜くことはできないのだ。」114
定年後
40代から備えをしておけば、新しいことを始めるための十分な仕込みの時間が取れます。
そば打ちでも陶芸でも、何か新しいことを始めるとして、ある一定の域に達するのに一区切り3年と言われているそうです。
40代のスタートとして、定年まで10年あるならば、その区切りを3回以上回せるわけで、定年と同時に即戦力としてその仕事を始められるわけです。
そんな思いで,私もこの10年間ほど,備えをしつづけてきて,定年まであと2年を切るところまできました。
少なくとも,黄金の20年を,することもなくできることもなく,家人にうとまれながらたいくつにすごす,というような生活は送らずに済みそうです。
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※在職時代から60歳以降の不安を消すために「ブログ」を始めるということを提案しています。「10年ブログ」を50歳から10年かけてつくりあげれば,退職後の人生は大きく変わります。少なくともここに挙げられているような問題や課題はかなり減ります。
そのためのロードマップについて本を書きました。
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この本の対象は
最後にお断りですが、この本「定年後」は、「雇用されている男性」ということに的を絞って書かれています。
女性は、男性に比べて「生活感」という共通の背景を持ちやすく、それを元につながりやすい傾向があります。
男性はもともと人とつながるよりも一人で行動する傾向が強い。
ですから、会社などの、自分の所属するバックボーンがなくなったあと、孤立化してしまいやすいからです。
それでは、今から備えをして,ハッピー定年後ライフを!
更新履歴
2019-8-5 公開
2021-3-22 追記修正
2022-12-14 加筆
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