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023 書評

「火花」~Lyustyleの読書「芸人」ではなく「稀代の読書家」の書いた小説として読む

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メルマガ「知的迷走通信」で連載した書評「Lyustyleの読書」。

僕は、その中で、「みなさんがあまり読んでないだろうなと思う本を選んで紹介している」と書きました。

ところが今回紹介するのは芥川賞作品です。

誰もが読んでます。

それをなぜ今更芥川賞作品を・・・・・?

 

それは、前回ご紹介した「夜を乗り越える」で又吉氏の並外れた読者家としての面を書いているうちに、読書家が書いた小説というのはいかばかりかと興味が出てきたからです。

 

そう、私は「火花」を読んでませんでした。

2015年にあれほど話題になったこの本を、読んでいません。

これだけ話題になったら、別に僕が読まなくてもいいや、そのうち誰かが教えてくれるという妙な感覚が生まれ、読まなかったのです。

 

今回、初めて読んでみました。

そして、やはりその時でなくて今読んで良かったと思いました。

その時読んでいたら、話題の小説をあらすじを追っただけで終わっていたかもしれません。

 

しかし、僕は「火花」を読むかわりに、「夜を乗り越える」「第2図書係補佐」などのエッセイを読んで、又吉氏から近代文学の目を開かされていました。

これは、僕にとってラッキーなことだったと今にして思うのです。

だから、私は今回「火花」を、「芸人が書いた話題の本ではなく,稀代の読書家であり、エッセイストとして10年以上のキャリアのある又吉氏の書く小説、という視点で読むことができたのでした。

 

「夜を乗り越える」によると、この小説は芸人としての仕事を終わってから、夜な夜な書かれています。

当然、毎日コンスタントに書けるわけではなく、書けたり書けなかったりします。

そして、書きながらそのお話がどうなっていくのか本人さえもわかりません。

エンターテイナーとしての小説は、きっとそのようなものなのでしょう。

漱石の時代から、「文学」などという難しいものではなく、娯楽だったのですから、それで良かったのです。きっと。

そして、そのようにして書かれたこの小説が芥川賞を取るのですから、それでいいのです。

何も難しいことはないのです。

 

お話の筋は実に単純。

最後に師匠の神谷があんなことになろうとは、又吉氏自身も思っても見なかったでしょうが、その筋を彩る、東京の下町の風情や、登場人物の会話が心地いいなと思いました。

僕の読み方は、時代の世相を味わうというものですが、それを十分に満たしてくれるのは満足。

 

漫才師でなければわからない,焦燥感,売れることへの渇望,漫才というものへの思い,笑いを創り出す真摯さなど,売れないものの目線からいたるところに描かれます。

しかし,それらが深刻で真面目になりすぎず,小気味よく笑わせながら見せてくれるところが,流石に漫才師だと思います。

 

読書家が本を書いたらいったいどうなるのか、と思いながら読んだこの小説、妙に作った表現はあまり感じません。

「これは文学!立派な表現をしてやろう」

というのはなく、楽しく読める小説です。

 

きっと、読む人が読んだら、いたるところに

「これは太宰!」とか、

「芥川が顔を出してる!」

などと手を打って喜ぶような表現が満載だろうと思うのですが、ぼくにはまだわかりませんでした。

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