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「一テーマ30冊マラソン」とは
「一テーマ30冊マラソン」は、「僭越ながら」さんのブログで進められている勉強の方法です。
僭越ながら【1テーマの本を30冊読んで勉強するブログ】
何かを学ぼう、深く掘り下げて自分のものにしようとするとき、そのテーマについて出版または発表されている文献は全部読むというのが研究者の方法ですが、私達一般の人間の場合、そこまではできないので、何十冊と区切って読もうというのです。
それ自体、一般の人が何かを勉強しようとする時の1つの方法として素晴らしいと思います。
そうしなければきりがなくなり、どこまでいったらいいのか不安になり、最悪の場合勉強を放り出してしまうこともあると思うからです。
しかし区切るということによって、「よし、このテーマについては最低限のことを学習した。」と思うことができ、もう人に話したり物を書いたりなどのアウトプットをしてもいいんだ、と自分に言い聞かせることができます。自分に折り合いをつけることができるわけです。
僕が大学生のとき、日本古代史のテーマについて本を20冊読んだ時その分野に自信を持つことができたというのも同じことだと思います。
また、「一テーマ30冊マラソン」という勉強の仕方をブログで発表しているということも勉強の方法として素晴らしいと思います。学んだことをアウトプットしてより自分のものにすることができますし、今何冊読んだ、という記録にもなりますし、公開することで帰ってくる反応がモチベーションにもつながります。
僕は、この方法をこのブログでもやってみたいと思いました。そして僕は何をテーマにとって勉強しようかとワクワクしてこの数日を過ごしました。
自分が今深めたいテーマはなんだろうか・・・・。
以下の記事は、私が将来のために買い集めている読書のカテゴリーについて書いたものですが、次のようなカテゴリーを書いています。
今 読みたい本と、将来のために買う本~私のライブラリーをつくる | 知的生活ネットワーク
- 民俗学、民話
- 西洋中世史
- 美術史
- 明治、大正、昭和の詩人の詩集や伝記
- さまざまな次代の人々の自伝や伝記
- 心理学
- 江戸の文化史
- 科学史
これらの本の入った書棚を眺めながら、「さて、どのテーマを選ぼうかなあ」と考えながらわくわくしていたわけです。
しかし、困ったことがおこりました。なかなか絞り切れないのです。自分にとって喫緊の必要性があるテーマがないのです。
考えたら当たり前で、これらのテーマは私が生涯かけて少しずつ深めていこうと思うテーマですから、何十冊マラソンなどとあえてする必要のあるカテゴリーではないのです。
その時思いました。「一テーマ30冊マラソン」は、読書法ではなく勉強法なんですね。自分自身のどの能力を高めたいのか、そのためにはどのテーマを選んだらいいのか、そういうテーマの選択が必要だったのです。
では、勉強のためにはどのテーマを選んだらいいのだろうか。
私の勉強に選ぶテーマ
小学校の教師として
私は小学校の教師ですので、授業論、子どもの心理発達、教育史などを読んで自分の教育観をさらに肥やしていくということが考えられます。
また、美術教育を専門に研究している者として、美術教育論、美術教育史などを読んで美術教育観を肥やしていくことが考えられます。
さらに、近頃の喫緊の勉強課題としては特別支援教育、道徳教育の教科化、英語教育の改善などがあり、これらも勉強のテーマとしては必要なもので、教育の動向を追っていかなければなりません。
これらはずっとやってきたことだし、やっていくことでもあるのですが、これらの勉強に「一テーマ30冊マラソン」という手法をあてはめていくのは、理解を深める意味でも記録をするという意味でもとても有意義だと思います。
教師という仕事を支える周辺のテーマとして
次に、教師という仕事を支える周辺のテーマがあります。
私はカウンセリングやコーチングなどのテーマを追ってきました。
また、子どもの成長をみていることから「脳科学」や「心理学」についても興味がありこれまで数冊の本を求めて読んできました。
しかし、それぞれ10冊程度本を読んだくらいで、勉強した、というほどの自信はありません。
したがって、これらをちゃんと勉強しようという気持ちで「30冊マラソン」をすることは、最低限の知識をみにつけるための方法としてとても価値があることだと思います。
「知的生活」
「知的生活」というテーマは、教師であるということよりももっと大きなくくりとして私が捉えているものです。
退職した後も一生学び続けたいと思っていますし、「学ぶ」という意志の力とは関係なしに、学ぶという行為自体を楽しめるような生活を送って行きたいと思っています。
そのための考え方や方法を求めていこうとする気持ちでこのブログをやっていますので、「30冊マラソン」の手法を取り入れることで、このブログ自体の私にとっての価値が高まると思います。
先達の読書論や学びの方法、知的生活の方法について書かれた本をマラソンに加えていきたいものだと思っています。
複数テーマを並行してすすめる
これらのテーマの勉強を「一テーマ30冊マラソン」の手法でおこなっていくにあたり、さっそくぶち当たった壁があります。それは1つのテーマに絞り切れないということです。
たとえば、カウンセリングを30冊読んでいる間、私は読書論についての本を読む時間をとることができないのです。
このブログで何度も悲鳴をあげてきたとおり、私が一日の中で読書にさける時間はチリツモ読書もふくめてかき集めてきてもせいぜい1時間くらいでしかありません。ぶつ切りで一時間です。これでは、カウンセリングというテーマで30冊読んでいる間に1年が終わってしまいます。これで困ってしまいました。
解決法は、並行してやるということです。
続けて30冊読むことができればそれはすごい効果だと思いますが、やらなければならないテーマが多岐にわたり、ぶつ切りでしか読む時間がとれないとなると、それは時間をかけてでも並行してやらざると得ません。ですから全体的に少しずつ底上げをするという方法をとっていきます。
実はこの勉強の方法はこれまでもおこなってきたことで、見た目には何も変わりません。
でも、「一テーマ30冊マラソン」と位置づけることによって、
- 今読んでいる本は「このテーマ」と意識して読むということ
- 冊数をそのテーマについて最低限の知識をみにつけたという自信のための目安と考えて勉強の区切りの折り合いをつけること
- マラソンの様子をブログでアウトプットすることでより理解を深めたり記録化したりするということ
これらの点でこれまでのやり方とは大きく変わってきます。
運用について
まず、カテゴリーに「一テーマ30冊マラソン」をつくります。そのサブカテゴリーが私の勉強のテーマとなります。「カウンセリング」とか「脳科学」「知的生活」などです。これらのコンテンツを増やしていくという目標で勉強を行います。
教育に関する勉強は「教育ちゃんねる」で進めていきます。それ以外はこちらでやります。
また、「僭越ながら」さんの書き方を真似させていただいて、毎回、今どのテーマの何冊目を読んでいるのかを書きます。これが自分の記録になります。
一冊読みきっていなくてもその時点で書きたいこと、記録しておきたいことを書いていきます。また、何も書かない本もあるかもしれません。
最初の一冊は・・
「一テーマ30冊マラソン」を始めるにあたり、最初に選んだ本はずばり渡部昇一氏の「知的生活の方法」です。
昭和62年(1987年)3月14日、当時住んでいた団地の入り口にある小さな街本屋で買い求め16日に読了しました。「久しぶりに自分の生活に指標を与えうる本に出会ったという感がある」と書き込みがしてあります。
26歳の私が興奮のあまり身を震わせながら読んだ知的生活に関する最初の本。
教師としての生活を送っていくにあたり、教材研究だけでなく、知的生活を求めていくことが教師としての大きな土台になるのだということを初めて示してくれた本でした。
ここに書き込んだ通りに、この本はその後の私の生き方を大きく帰る一冊となりました。
この本を読んでいなかったら、私は知的生活というものを希求もしなかっただろうし、書斎をつくろうとも、そこに一生かけてライブラリーをつくろうとも、退職後読み続ける本を今から買い揃えておこうともしない人生を歩んでいたことと思います。
もちろんこのブログもありません。
ですからこの本から再スタートです。
渡部昇一氏の言う「知的生活」とは何なのか、再勉強をすることからこのマラソンを開始しようと思います。
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