お金を払って「速読」という技をみにつけようとしていた
2007年頃、フォトリーディングのセミナーに申し込もうとしたことがあります。
フォトリーディングにはある種の全能感が漂っていて,潜在意識だとか,こんなに分厚い本がぱらぱらとめくるだけで私の頭の中に・・だとか,すごく心がワクワクしたので,本を買ってきてむさぼり読み,実践をしていたことを思い出します。残念ながら,セミナーは10万円くらいしたので断念しました。
フォトリーのに夢中になっていた私は,ブログまで立ち上げて、実践した本を記事にしていました。20記事くらいあげたところで忙しくなって投稿がとまり,1年くらい放っておいたらなんの問い合わせもなく消されていました。がっくりしてしまって今に至るまでそのままです。
その頃は、とにかく「速読」に憧れていました。1日1冊とか,年間何百冊とか,そのようなことができる人になりたかったのです。速読の為の本もたくさん読み、眼球運動の訓練をしてでもたくさんの本を読もうと躍起になっていました。
速読を,特別な技だととらえていたのです。
しかし,そのうち,特殊な訓練を積まなくても,目次をしっかり読んで,必要なところとそうでないところの緩急をつけて読むなど,ある手数を踏めばその本からの必要な知識は得られることがわかってきて,速読のためにことさらトレーニングをしようとかお金を使おうと思うことはなくなりました。
もちろんこのことは,高いお金を支払ってそれらの技を身に着け,充実した読書ライフを続けておられる方の価値を否定するものではありません。あくまでも私の仕事とプライベートに限っては,その道を断念してもかまわなかったということです。
私の生活の中において,その手数を踏んでまでたくさんの本を読まなければならない事態はそうそう起こりません。あるプロジェクトに際して一気に大量の情報を仕入れなければならない時くらいです。つまりほぼ仕事上必要に駆られて,という時に限られます。プライベートの中ではまず起こりえません。
私の読書では読みたい本をできるだけたくさん読めたらそれでいいのです。1日1冊読めなくてもいいです。何よりお金が続きません。
今,できるだけたくさんの本を読むために行っていること
できるだけたくさん読む。そのためには二つのことが必要です。「速く読むこと」と,「長い時間読むこと」です。
速く読むこと
「速く読むこと」については,「1日1冊,年間300冊」とか,セミナーで「級」をもらわないとできない技を使うような特別なものではなく,「さっとななめよみ,飛ばし読みしても意味がとれるくらいの速さの読み方をする」ということです。
私が「速読」というときはそういう意味です。日本速読協会の「速読」についての定義でも「速読とは速く正確に文書を読むことです。 」と書いてありますのでそれでいいのだと思います。
1分間何文字以上読めないと速読とは言わない,というようなことではないでしょう。読み飛ばせるところは読み飛ばし,緩急つけて必要なところだけ取り込みます。
ちょっとした興味で読む本とか,何らかのハウツー本などは,がんがん速読で行きます。
長く読むこと
チリツモ読書
「長く読むこと」については,読書の時間をできるだけつくりだすことです。
このブログでも何度か取り上げていますが,「チリツモ読書」により,かなりの時間を捻出できます。
「チリツモ読書」のすすめ | 知的生活ネットワーク
チリツモ読書を定義
5分や10分といった場所,時間,コンテキストをあらかじめ想定していおいて,その時がくると本を読むのです。
たとえば,私が「知的鍛錬読書」で行っている,本居宣長の「うひやまぶみ」の読書。あれは,食後,後ろの棚からすっと出して10分間読むという習慣で行っているものです。「食後」「食堂」というコンテキストを想定していて,毎日確実に読み進めます。
また,朝の出勤前に行っているストレッチ。その間,同時に本を開いて読んでいます。ストレッチのついでに10分ほど本を読む。これもチリツモ読書です。
ログをとってみたら,何もしなければ単なるすきま時間なはずの5分,10分を,2日で合わせて1時間半も読書の時間に転換することができました。
【チリツモ読書】数分の時間をかき集めて、3日間で90分もの読書時間をつくった | 知的生活ネットワーク
【何とか・・・】チリツモ読書で先週は3時間28分の読書時間 | 知的生活ネットワーク
このチリツモ読書で,「長く読む」ということを実現することができ,できるだけたくさん読むことにつなげることができます。
並行読書
また,「並行読書」も「長く読むこと」につながります。
私は時と場所に合わせて4,5冊の本を並行で読んでいます。
「朝のおつとめ」(^^)で読む本,
風呂に入ってkindleで読む本,
寝床で読む本,
食後に食堂で読む本,
帰宅後の立読で読む本です。
ほかにも書斎の机上に待機させていて,PCが起動するまでの7分間(長いんですよ)で読む本などもあります。これらはチリツモ読書の一部でもありますが,それぞれ違う本を読んでいるのがポイントです。
その場に紐づけられた本を読むことで,何を読もうかと迷うことがありませんし,その場にいったら躊躇なく読書であると体と心が反応しますから,結果的に長く読むことにつながるのです。
さて,この二つのこと「速く読むこと」「長く読むこと」のうち,一つ目の「速く読むこと」は内容によってはできません。小説だとか古典だとか,そういう読み味わいたい本はむしろ「遅読」が必要です。
また,そのような本も私の読書には多いのです。だから,私の場合,たくさんの本に出合うためには,チリツモ読書で時間をつくりだし,長く読むことの工夫をたくさんしなければなりません。
そこがおもしろいのですが。
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