幕末の儒学者 左藤一斎の「言志四録(げんししろく)」という著作に
少にして学べば、則ち壮にして為すことあり。
壮にして学べば、則ち老いて衰えず。
老いて学べば、則ち死して朽ちず。
という言葉が出てきます。
含蓄のある言葉ですが、その中で「壮にして学べば、則ち老いて衰えず。」ということについて、渡部昇一氏が次のようなことを述べています。
(ここでいう学ぶとは)かならずしも、仕事上での学ぶを意味しているわけではない。
壮年時代の仕事上の勉強を自分自身の勉強と勘違いしてはならない。
仕事上の勉強は、仕事上の職能を高めるために行うのであって、それはここでいうところの「学ぶ」にははいらないということです。
何かに役立たせるために学ぶ、というのではなく、学ぶこと自体が楽しいから学ぶ、というのが「知的生活」とすれば、今、自分が勉強していることは、退職後ずっとつづく生活の中で、楽しんで続けていける勉強でしょうか。
そのような視点で、一度、自分の学びの内容を棚卸してみてはいかがでしょうか。
退職後も学び続けることができそうな学びの「テーマ」になるようなもの、もしくは「学び」そのものが自分にはあるでしょうか。
教職に関して言えば、仕事上の学びをきっかけにして、なにか気にかかる分野、興味のある分野を専門的に学べば、退職後もその学びを続けることができると思います。
私の場合、退職してからもつづけていきたい学びのテーマは・・・
・児童画と発達心理学、美術教育論
・図書館、読み聞かせ、絵本
・昔話、民話、民俗学
・脳のはたらきについて
・特別支援教育 特に大人の発達障害について
これなら、何かに役立てようという気持ちなく楽しみで勉強できるテーマだと思います。。
私の母は80歳をこえていますが、毎晩、楽しそうに英会話の勉強をしています。
「英会話勉強してどうするの?」
と聞く私に
「どうしようというわけじゃないけど、おもしろいからやってる」
と答える母。
愚問でした。
コメント