昨日、ロケットマンを見てきました。
ネタバレにならないように気をつけて書くつもりですが、お気をつけてお読みください。
(といいながら,最初からネタバレになります)
目次
最初のシーンから度肝を抜かれる
背中からけばけばしい羽の生えたオレンジ色の、ステージ衣装をきたエルトンが廊下に飛び込んできます。
下の方が描いてくれてます。まさにこのかっこうで。
ここにもありました。
#ロケットマン 剥き出しの心を すりおろし器で何度も削られる。両親や恋人から与えられたのはそんな痛み。だから彼はステージの上で『エルトン・ジョン』になる。
— フジミヤ(普通各駅停車) (@jjuO73VDtwdOB0M) August 24, 2019
ド派手な衣装にスパンコール、沢山の羽根、覆い隠す眼鏡、おどけた仕草、とびきりの笑顔。
闇を抱えるほどに眩しく輝く、彼の孤独。 pic.twitter.com/LZF8zWdkvU
そして逆光の中から少しずつかつかつと音を立てながらこちらに近づいてきます。
ああ、これからステージが始まるんだな。
エルトンは今、数万の人たちがまつステージへと歩みを進めているのだな。
そしてカメラはステージに出て行くエルトンを後ろからお追い、意から強く扉を開けたその先には何万もの観客が・・・
(ネタバレですので気をつけて)
入ったところは、そんなステージ衣装とは縁のない普通のかっこうの人たちがサークルになって座っている部屋。
彼は、依存症の厚生施設に入ってきたのです。
「長くなるか?」「あなた次第よ」
それから彼は自分のことを話し映画が始まります。
話が進むたびに,派手な兜の角はむしりとられ、羽ははぎとられ、衣装も脱ぎ捨て、物語の最後ではジャージを着たふつうの青年になります。
自分に戻ったエルトンの前に、子ども時代の自分が現れて「ハグして」をエルトンに言います。
お父さんから「甘えるな」と拒否されたあの言葉です。
子ども時代の自分をしっかりハグしてやったエルトンは、ま^た元気に外の世界へと戻っていきます。
こな映画は、スーパースターとしての生き方に苦悩しつつも,ずっとがまんし続けてきたエルトンがようやく助けを求め、次第に自分を取り戻していく過程をエルトン自身の口から語られて行く物語だったんですね。
最後のシーンで、中毒患者厚生施設で道をはいているエルトンの姿が印象的でした。
長い時間をかけて戻って戻ってきたんですね。
会場は50以上のおじさんおばさんがほとんど
ボヘミアンラプソディーは、週を重ねるととも「どんどん入場者が増えるという現象が起こりましたね。
クイーンの曲はよくCMでかかるので、世代を超えて知っている人たちが多いです。
クイーンとは知らなくても,曲を聴けば「あ、あれクイーンなの」というほど。
ウェンブリーのライブの完コピなども話題となり、エンターテイナー性が高かったせいか、若い人がかなり多く見られました。
新しいファンを、つかむことができたんですね。
しかし、まだ封切り2日目ということもあるのか、はたまた,午前10時40分という早い時間からということもあるのか,来ていたのは70くらいのおじさん、おばさんが多かったですね。
僕なんか、若い方でした。
みんな、中高生のころにリアルタイムでエルトンなる新曲を待ちわびていた世代です。
ただ、ただ、懐かしくて見にこられていたのでしょう。
さて、これが週を重ねるとともにだんだん見にくる人が増えていくのか。
タイアップした話題性があれば世代を超えた大ヒットになりそうですが・・・
今回はまだ生きている人を題材にしており、美化されたドラではないという内容がないどこまでファンを掴むか。
僕らの上の世代のようなコアなファンに加えて新しいファンが増えていくかどうかは少し疑問な気がします。
後述するようにわきわどいシーンもあって、若い娘さんには受けるかどうか・・・
「土曜の夜は僕の生きがい」のワンカット撮影シーンは、さすがにすごかった
可能の記事で書いた、ノンストップのワンカット撮影シーンである、ミュージカルシーン。
こらは実に圧巻でしたね。
ボヘミアンラプソディーの、ウェンブリーのライブシーンが初めに来ちゃったかのような贅沢なシーンでした。
こんなシーンを、こんなに早く見せちゃって、ちゃんと後持つの?と心配するほど。
順番に練られたカメラのアングルや動き、ダンサーやエキストラたちの動線。
縦横無尽に遊園地を動き回るこのシーンは本当に迫力があるとともに、その緻密な計画ぶりに舌を巻きました。
わたしが最も驚いたのは、時間が経過するシーン。
よく映画であるでしょ。時間や場所の転換のときに、カメラが横にスライドし、手前に大きな木や看板、車などが左から現れて、右に消え去ったときには、全く新しい時間と場所に転換される手法。
このシーンは子供時代のエルトンが歌うところから始まるのですが、同じようにカメラがスライドしていき、手前のものがカメラの端に変えたときには大人になったエルトンが歌い踊っているのです。
普通ならこの場面転換の前と後とは撮影のフィルムやファイル,時間が異なります。
編集でつなげるわけですね。
ところがそう見せかけておいて実はワンカットという、一般的な手法を逆手に取った見せ方だったんです。
ここまでやるのかと思いました。ワンカットで時間の経過まで見せるとは。
タロン・エガートンはエルトンの弱さと苦悩をよく演じていた
『ロケットマン』タロン・エジャトンへインタビュー✨
— THE RIVER (@the_river_jp) August 22, 2019
好きな衣装はホットパンツ?🤣
カッコよくてお茶目な魅力全開👍🏻https://t.co/JBERGA2gQL#ロケットマン #タロン・エジャトン @Rocketman_JP pic.twitter.com/b2o1FP5nhl
髪の毛を薄くして、派手なメガネをかけ、帽子をかぶり、にかっと笑えば誰でもエルトンジョンになれそうです。
エルトン・ジョンの攻めてるメガネ大好きです pic.twitter.com/YJFOYbDWv8
— こみ (@konima12) August 24, 2019
実際、本物と見紛うばかりによく似ていました。
また、口をはっきり開けて少し甲高いハリのある声で歌えば、声も似てくるんじゃないかと思います。
でも、タロン・エガートンのエルトンでよかったなぁと思うのは、孤独や不安などの苦悩がとてもよかったからです。
フレディ役のラミ・マレックもその辺りのところが良かったです。
同性愛者のマネージャーに惹かれてコントロールされ、その前では弱々しくなってしまう場面がありましたが、意外だったとともに、全く美化もされず、実にリアルでした。
ちょっとときわどいシーンが多かった
同性愛者であることを際立たせるためにきわどいシーンが多かったです。
ここまでやらなくても?と思うくらいのきわどさで、R12指定でしたが、R18にしたほうがいいんじゃないかと思いました。
吹き替え版ではもしかしたら配慮されるかもしれませんが、字幕版では過去にかけないような言葉が続き、R12をクリアしても、未成年にはあまり見せたくないなと思いました。
僕はちょっと苦手でした。
スターダムにのし上がるところの戸惑いや喜びをもう少し見たかった
ボヘミアンラプソディーもそうでしたが、結構あっけなくスーパースターになってしまいました。
局が売れた時の喜び。
これまで感じたことのない,「有名になる」ということへの喜びと畏れ。
だんだん有名になっていくことへの慣れと,孤独。
時間との兼ね合いもあるし、実際にスーパースターになる過程というものはあっけないものかもしれません。
歌は、心から楽しめた
全21曲だそうです。
エルトンが、作詞家のバーナーから詩を渡されてピアノに向かい、手探りでコードを見つけ、進行を使っていくとき、私たちは、「ああ、これがあの曲になるのか」とすぐにピンときます。
エルトン・ジョン大好きでずっと聴いてたけど、バーニー・トーピンとの複雑な関係は初めて知った…。容姿に劣等感のあるメガネのエルトンと、女好きでカッコいいカウボーイのバーニー。愛してもストレートとゲイ。エルトンはバーニーの詞で歌が降りてくる。他の人じゃダメで、特別。こんなん泣くわ! pic.twitter.com/kpzXNppIU0
— ドスティ (@drinkbarkamo) August 23, 2019
そして、ポロンポロンというピアノのたどたどしい音がいつしか滑らかになり、ストリングスが加えられ、ベース、ドラム、ギターなどが付け加わっていき、いつしか舞台で演奏している。
こういうシーン、たまりせんね。
ぼくは、昨日の記事でも書いたように
Gomdbye Yellow Brick Road(黄昏のレンガ道)という曲は世紀の大名曲だと思っています。
なかなかそのシーンがないなと思っていたら、エルトンが自分の苦悩の人生から一歩を踏み出す印象的なシーンで使われていました。
これはとても嬉しかったですね。
映画を見る前に聞いておいてほしいオススメの曲
それでは、映画を観に行く人のために、予習しておいてほしい曲を紹介しておきますね。
土曜の夜は僕の生きがい
初期のシーンで、エルトンが空を抜け出して成長するミュージカルシーンで、圧巻のワンカット映像で歌われる曲です。
すごくノリのいい曲なので、皆さんだいすきになられるとおもいます。
君の歌はぼくの歌 Your Song
作詞家のバーニーから手渡された詩を、家族の前で次第に曲していくシーンの歌。
静かなバラードですが、これによって、二人は大きくクローズアップされ、道が開けていきます。
クロコダイルロック
アメリカに初公演に行ったとき、レオンラッセルやビー・ジーズなどの大物が来ている前でともすれば逃げ帰りそうになるエルトンが、意を決して弾いた最初の曲。
これで、観客を総立ちさせ、その後のスターダムへの道が約束されます。
とてもノリのいい曲です。
Don’t Go Breaking My Heart
これは,アメリカで成功を収めてイギリスに帰ってきたときにスタジオでキキ・ディーとともにデュエットしていた曲。
とってものりのいいポップな曲。
肩の手,どけろよぅ,といいたくなります(^^)
ロケットマン
人気の頂点にいるエルトンと、孤独さにさいなまれるエルトンの狭間で、逃げ出していきたい思いから身投げ自殺を試みるシーンで流れる曲。
よく意味がわからずに好きで聞いてきた曲ですが、こんな意味があったのかと驚きました。
耳から離れなくなる印象的な曲
Goodbye Yellow Brick Road
サビを、一度聴いたら忘れられない名曲。
この曲を聞くたびに、中学生だった秋のあの日を思い出します。
しかし、たんなるノスタルジックな曲なのではなく、レンガ道な向こうにはを進めるんだという決意の曲でもあったんですね。
Yellow Brick Road(黄色いレンガ道)とは,芸能界の出世街道を表す言葉ということを聞いたことがあります。
マジソンスクエアガーデンでのライブを前にして、ステージ衣装のまま抜け出し、薬物依存症な更生施設に飛び込んでいくときに使われています。
(I’m Gonna) Love Me Again
映画が終わってエンドロールで流れるいかした音楽がこれ。
なんとバーニーとエルトンが映画のために書きおろした新曲。
タロンとのデュエットとなっています。
太くて張りのある声が誰のだろうと思っていたら,なんとエルトンでした。
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