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僕らが新任教師だった頃、保護者は僕らを一人前の教師に育てようとしてくれた。

僕らが新任教師だった1980年代のはじめ、保護者は僕らを一人前の教師に育てようとしてくれた。

文科省による初任者研修などない頃、保護者がいろいろなことを教えてくれた。時にはお手紙で「先生、参観日の時、黒板に書いた漢字の筆順がまちがってたよ。」など、今見たら赤面しそうなことをそっと教えてくれた。

授業が下手でもいつか上手になるさと励ましてくれたものだ。

「こんな新任の教師には家の子どもは任せられない」なんて言ってくる親はいなかった。

そうして、さまざまな不満や不安もあっただろう、それを抑えて育てていただいた。

だから僕は今ここにいる。

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