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The Beatlesと私

黎明記

Paulが日本に来ている。日本で私と同じ空気を振吸っている。
それでThe Beatlesのことを色々と思い出している。

高校の頃、デイープパーブルやレッド・ツェッペリン、ジェフ・ベック、クラプトンなどにはまった。
お子様音楽から抜け出そうとした高校生は、とりあえずハードロックとかブルースをやってればカッコイイと自分で思っていた時代だった。

The Beatlesなんて下手くそだ、と思っていた。
なんでそんなことを思っていたのかはわからないが、みんなの中ではそういうのが、わかってるロッカーであるような気がしていた。
ギターにアンプをつないだだけのその音を、ただ、ちゃかちゃか鳴らしているだけに思えた。
パーブルのリッチー ブラックモアの、あの一捻りもふたひねりもしたような重厚なギターの歪みの音色にしびれていた私たちは、どうしてもThe Beatlesの音がおもちゃの音にしか聞こえなかったのだと思う。

と言いながらも、簡単なコードでできているはずのGetBackがどうしても弾けず、何が何だか分からなかったのも、これまた事実だ。

あのチャカチャカやっていたはずの初期の音楽が、実はワンテイクで取られていたというものスゴイことを知るのはもっとずっと後になるのだが、The Beatlesとしてデビューするまでの何年もの間、場末のクラブで演奏し続け、客たちに鍛えられまくっていた彼らが下手くそなはずなないなどということくらい考えられただろうに。

すごく上手い演奏家たちだったのだと実感したのは、バンドでThe Beatlesを、やるようになってからだ。

正確無比でタイトなリズムに、変幻自在のギター2丁。
そして、なんでこんな演奏しながら同時に歌えるんだ?多重録音だろ?と思わんばかりのボーカル。
一つとして真似できない。

60歳になって退職したら本格的に活動を始め、ライブで生きていこうぜ!とバンド仲間たちと話している。
When i”m sixty four.

私の著書

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