「スーパー書斎の仕事術」
元祖ライフハック系の本。
山根一眞氏の「スーパー書斎の仕事術」です。
1980年代に書かれたこの本、まだインターネットどころかパソコン通信も始まっていないし、そもそもパソコンでさえ普及していない時代の本です。
携帯ももちろんありません。
ようやく日本語ワードプロセッサーやコピー機、ファックスが職場に普及し始めたこの時代。
私は、身の回りに溢れかえり日々増殖していく書類に悪戦苦闘していました。
収納ボックスを買って来たり、サイドボードを買って見たり、押入れの中に組み立て式の引き出しをつくってみたりするのですが、いらない書類の中に必要な書類がうまり、そのまま散逸ということを繰り返していたのです。
まだ、ライフハック本とか片付け収納の本など出ていませんでした。
自分で何とか工夫するしかありませんでした。
そんな1987年のある日、すがりつくようにした訪れた本屋で導かれるようにして手にしたこの本。
一読して,背中を旋律が走りました。
私は、すぐに買い求め、レストランに入り、ピラフを頬張りながら夢中になってページをめくったことを覚えています。
私の目をくぎ付けにした,それが「山根式袋ファイル」システムです。
すべての情報をA4の袋に入れることで規格統一を図り、その袋自体がデータベースの1レコードとなる山根式袋ファイルシステムです。
この本が私を変えました。
情報の山の中で埋もれていた私は、その後30年続く山根式袋ファイルシステムを導入することで書類の行方不明から解放されました。
詳しくは、ミニサイトがありますのでご参照を。
目からウロコが次々におちるその内容は、「袋ファイルシステム」だけでにとどまりません。
日本語ワープロを知的生産に使う技術、
カメラのコピー機としての使い方、
8mmビデオの情報ツールとしての使い方、
「モバイル」仕事術という考え方。
カメラをコピー機として使う考え方は、すでにこのころにはあったのです。
まだデジカメが登場する10年も前の話ですが、すでに「写ルンです」は発売されていました。
コピー機にかけられないような厚みのある本や、持ち出せない本などの情報も、「写ルンです」ならコピーできる。
ようやくカメラが一部マニアのためのものではなく一般人が気軽に使えるようになって来たこの時代、それをコピー機として使おうというような発想がすでにあったのです。
また、普及し始めたばかりの8mmビデオカメラは、単なる家族の記録にとどまらず、すごいポテンシャルを持っていることに気づき、私は授業に大いに活用していました。
ですから,情報ツールとして8mmビデオカメラを使うというこの本の著者にとても親近感を覚えました。
この山根一眞という人は、私の興味を代弁してくれている!
そこから私は山根氏の大ファンになり、次々に本を買い求めました。
今に続くシステム手帳は、これらの本を読んだことがきっかけでした。
仕事を気持ちよく進めていくための「方法」というものがある。
それを工夫することはなんて楽しいことなのだ。
それを実践している人が世の中にはいる。
自分もその一人として仕事の工夫を楽しんでいこう!
1987年12月。
私のライフハック魂の誕生です。
ライフハックという言葉が認知されるまでその後20年近くの時間を必要としましたが、その頃には私の中にはすでに十分な蓄積と経験があったのです。
Amazonでは、まだ、中古本として手に入りますので、開いてみると時代の空気を吸えますよ。私が持っている単行本は,中古品で17円でした。
バブル崩壊へ向かってひた走りしていた昭和の終わり頃の話です。
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