1997年頃の話。
僕は、Mebius というノートパソコンを持っていました。
500メガのHDD搭載で、まだギガの時代ではありませんでしたが、仕事に必要なOfficeだけでなく、デザインのためのPhotoshop,Painter、そして音楽をつくるためのLogic(まだWindows版があったころ)まで入れてあまりがある、というそんな時代。ひとつひとつのプログラムの容量も少なかったんですね。
これを日夜持ちまわっておりまして、これがないと仕事もなにもできないというくらいのディープな使用状況でした。
ところが、悲劇がおこります。
書斎を歩いていて、コードをひっかけ、ガッシャアアアアン!とそのPCを床に落としてしまったのです。
はっきり見ました。
床に、角から激突するところを。
僕は青くなり、急いで起動してみましたが・・・・
なんと、Systemはクラッシュしていなかったようでとりあえずブートし始めます。
ところがなんと「◯◯.exe」がないよ、とか「□□.dll」がないよ、とかいろいろメッセージが出て止まってしまいます。
中には大事な文書類がたくさん入っているのにいったいどうしたら・・・・
そこでピントひらめきます。
「足りないファイルを片っ端からコピーしていこう」
まだ、OSがフロッピーで供給されていた時代。
Windows95のOSは、フロッピーディスク30数枚ほどで供給されていました。
これを片っ端から突っ込んで、表示された足りないファイルを探します。
見つけたら、コピー。
そして起動しなおし、また次に足りないファイルが表示されたら、フロッピーを片っ端から突っ込んでいって探し、見つけたらコピー。
これをえんえんと繰り返しました。
そして、12時間ほどたちました。
起動したら、ありがたいことに立ち上がってくれたのでした。
感涙さめやらず。
一応、Diskcheckをしてみたら、なんと3分の1ほどのHDDが損傷。
文書ファイルもいくつか消えていました。
幸いさほど影響のない領域が損傷されていたようで、プログラムの再インストールまではしなくてよかったのが幸いでしたが、一気にユーザーエリアが減ってしまい、いくつかのプログラムをアンインストールせねばならなくなりました。
今にして思えば、OSが起動もしていない状態で、よくコピーできたな・・。
NEC98の時代からDOSを触っていたので、Copyコマンドとか、Dirコマンド、CDコマンドなどが使え、Dosのプロンプト画面からフロッピーの中身を表示させたり、それをしかるべきところにコピーさせたり、というようなことを手動で行うことができたからです。
いや、もう2度とあんなことはあってほしくないですね。
一番大変だった思い出です。