進行状況

テーマ「知的生活」で30冊マラソンを始めました。1冊め「知的生活の方法」


私は、26歳の時にこの箇所を読んで深く感じ入ったことを覚えています。  

漱石との出会い

小学生の時にみんなが漱石の「吾輩は猫である」を読んでいたので私も手にとってみました。

冒頭の「吾輩は猫である。名前はまだない」のところは知っていたので「ああ、これだこれだ」と思いましたが、その後がまったく何が何やらおもしろくないのです。そこでやめてしまいました。

2回めは中学3年の受験の頃。国語の問題文に出てきたか何かで、「やはりこれくらいは読んでおかないとだめなんじゃないか」と思って読み始めました。

しかし1巻目の半分もよまないうちに挫折しました。 吾輩は猫であるを読破できたら高校入試に受かる!というジンクスをたてて必死に読もうとしましたがあえなく敗北。「そんなジンクスやめた」となかったことにして勉強に打ち込み、高校に合格しましたので、きっと読むのをやめてよかったのだと思います。  

漱石を諦める

そのまま、私は漱石を読むことを諦めました。 私にはあんな小説はわからないと思うようになったのです。

日本の文豪の書いた本は高尚すぎて私には無理だ、私は他の友だちみたいに本を理解できないのだ、と思い込んでしまったのです。

その後、大学に入るまで私は小説を読もうなどと思ったことはありません。 私の読書はドキュメント、ノンフィクション中心になっていきました。

大学に入ってようやく志賀直哉とか三島由紀夫だとかを全部読んでみようと思ってよみましたが、漱石を読もうなどとは思いませんでした。それほど私には日本文学の古典的名作を読むということに自信がなかったと言えます。   

漱石との再開

そうして、「知的生活の方法」に出会い、冒頭の部分を読んではっと思うに至ります。

私は改めて「吾輩は猫である」を買いに行きました。そうして読み始めました。

するとおもしろいのです。

確かにそのとおりでした。私は「吾輩は猫である」が面白く思えるくらいにまで成長していたのでした。

ところが、寒月くんが出てくるあたりでおもしろくなくなってしまいました。

話の筋が何がどうすすもうとしているのかわからなくなってしまったからです。 入れ替わり立ち代りなんだか妙な人たちが訪れては何がなんだか話の筋に関係あるんだかないんだかわからないような話を延々としていきます。

私は読むのを断念しました。

でもその時のやめ方は「私にはわからない」ではなく「今の私にはおもしろくない。でもいつか面白く思う時が来るだろう」という希望を持ってのものでした。

ああ、おもしろいなあ、と本当に思うようになったは40を超えてからでした。ちょうど猫を書いた漱石と同じくらいの年になっていました。

明治の教養人たちの話の内容もとても興味をもってワクワクしながら読むことができました。 寒月くんのモデルが寺田寅彦だと知って、自分の交友を小説にしていこうと思った漱石の気持ちはどんなだったんだろうなあと思いを馳せながら読んでいる自分に気づき、おもしろいなと思ったことを覚えています。    

ぞくぞくするおもしろさこそが本当のおもしろさ

「知的生活の方法」には、渡部昇一氏が、英語の通俗小説をはじめておもしろいと思った時のうれしさが書いてある箇所があります。

子どもの時に読んだ講談社の小説で感じていたぞくぞくするおもしろさを本のおもしろさの基準においていた渡部氏は、アメリカの通俗小説にそれを感じることができず、「おもしろくない」と自信を持って公言していた(知的正直)のですが、それはまた自分の英語の力不足からくるものだということもわかっていました。

だから、留学しなおすのですが、その先で通俗小説を徹底的に読むということを自分に課せられます。 読んではまとめて日本に送り、買い込んでは読んで日本に送り、を繰り返しますがなかなかおもしろいと思うことができません。

しかしついにその時が来ます。

子どもの時に感じていたぞくぞくするおもしろさを初めて感じながら読み続け、興奮のあまり最後の数ページを読む前にシャワーをあび、それから改めて数ページを読み終えたということです。

「ついに英語についての不全感はふきとんだ」と書いてあります。

アメリカの小説でも日本の子供の頃読んだ本と同じように面白いと思ったことの喜びはいかばかりだったでしょうか。  

この箇所は26歳の時に初めて「知的生活の方法」を読んだ時からずっと私の頭にあります。

漱石で似たような体験をすることができたのが私にとって大きな喜びでした。


本の紹介

25年前の海外生活,PC事情,メモや手帳のことなどについて書いてます。

「私のシドニー派遣教員日記」
現地の児童相手になんとか楽しい授業をしようとジタバタしたことが,今の自分をどのように作っているのか。




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